[26日 ロイター] - <為替> 米中通商問題を巡る緊張の緩和を受け安全資産に対する需要が減退し、ドルが対円で約2週間ぶりの高値を付けた。ただクリスマス明けで休場となっている市場も多い中、商いは薄かった。
中国外務省の耿爽報道官は25日、米中通商合意の署名式を巡り米国と密接に連絡を取っていると発言。これに先立ちトランプ米大統領は24日、中国の習近平国家主席と第1段階の米中通商合意に署名する調印式を行うと述べていた。[nT9N28D075][nL4N28Y29W]
テンパス(ワシントン)のトレーディング担当バイスプレジデント、ジョン・ドイル氏は「トランプ氏のコメントを受け、今日は若干『リスクオン』となっている」と指摘。「薄商いの中、円などの安全通貨が小幅安となる一方、通商合意の期待からNZドルと豪ドルが上げている」と述べた。
クリスマス明けのこの日も休場となっている市場が多く、取引は閑散。ドイル氏は「市場は虫の鳴き声が聞こえるほど静かだ。欧州の大部分の市場は今日も休場で、取引は閑散としている」と述べた。
<債券> 財務省が実施した320億ドルの7年債入札が堅調な需要を集めたことを受け、国債利回りが低下した。ただクリスマスと年末年始の休暇に挟まれ、商いは薄かった。
23日実施の400億ドルの2年債入札はやや軟調だったが、24日実施の410億ドルの5年債入札は堅調だった。キャンター・フィッツジェラルド(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、ジャスティン・レデラー氏はこの日の7年債入札について、「極めて力強い需要があった」と指摘。「国債に対する需要が存在しているようにみえる」と述べた。
7年債利回りは9月3日に1.41%と3年ぶり低水準を付けたが、米中通商合意への期待を背景にリスク選好が改善したことで、1.83%まで上昇した。
<株式> 主要3指数がいずれも終値での最高値を更新して取引を終え、ナスダックは初めて9000台に乗せた。米中の通商関係を巡る楽観的な見方が支援材料となった。年末商戦でのネット販売の好調を示すリポートを好感してアマゾン・ドット・コムが買われたことも寄与した。
S&P500は年初来29%上昇しており、このまま年を終えれば年間の上昇率としては2013年以来の大きさとなる。ナスダックは終値での最高値を10営業日連続で更新し、1997年以来の最長を記録した。
アマゾン (O:AMZN)は4.4%高。クレジットカード大手マスターカードが発表したデータによると、今年の米年末商戦はオンラインの売上高が特に好調だった。[nL4N28Z10V]
S&P500のセクター別では一般消費財銘柄 (SPLRCD)の上げが目立った。一方、ヘルスケア (SPXHC)は唯一マイナス圏で引けた。
<金先物> ドル安・ユーロ高に伴う割安感が支援材料となり、3営業日続伸した。2月物の清算値は中心限月ベースで10月31日以来約2カ月ぶりの高値。
外国為替市場ではドルが対ユーロで下落。ドル建てで取引される金に割安感が生じたことから買われやすくなった。また、チャート要因の買いなども入ったもようだ。ただ、クリスマスと年末年始の谷間で連休を取る市場参加者も多く商いは薄かった。
<米原油先物> 需給引き締まり観測の中で買われ、続伸した。米国産標準油種
WTIの中心限月2月物の清算値は引き続き、9月上旬以来3カ月ぶりの高水準。
米石油協会(API)が24日公表した統計によると、20日までの1週間の国内原油在庫は790万バレル減と、市場予想の170万バレル減を大きく上回る取り崩しとなった。これを受けて、供給過剰懸念が後退し、原油が買われた。
米中貿易協議の進展期待も原油相場を支えた。
ドル/円 NY終値 109.63/109.65
始値 109.58
高値 109.68
安値 109.58
ユーロ/ドル NY終値 1.1096/1.1100
始値 1.1085 (EUR=)
高値 1.1109
安値 1.1086
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 101*05.00 2.3211% (US30YT=RR)
前営業日終値 100*25.00 2.3380%
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*22.50 1.8944% (US10YT=RR)
前営業日終値 98*18.50 1.9080%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*04.75 1.7189% (US5YT=RR)
前営業日終値 100*02.00 1.7370%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*31.38 1.6350% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*31.13 1.6390%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 28621.39 +105.94 +0.37 (DJI)
前営業日終値 28515.45
ナスダック総合 9022.39 +69.51 +0.78 (IXIC)
前営業日終値 8952.88
S&P総合500種 3239.91 +16.53 +0.51 (SPX)
前営業日終値 3223.38
COMEX金 2月限 1514.4 +9.6
前営業日終値 1504.8
COMEX銀 3月限 1799.0 +13.7
前営業日終値 1785.3
北海ブレント 2月限 67.92 +0.72 (LCOc1)
前営業日終値 67.20
米WTI先物 2月限 61.68 +0.57 (CLc1)
前営業日終値 61.11
CRB商品指数 186.6837 +1.1499 (TRCCRB)
前営業日終値 185.5338
(※関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください) OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191226T225719+0000