[18日 ロイター] - <為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが上昇した。新型コロナウイルスの感染第2波を巡る懸念や市場予想を上回る新規失業保険申請件数を受け、安全通貨としてのドル買いが強まった。
ドル指数 (=USD)は0.38%高の97.437。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)による経済的影響への懸念からここ数週間でドルは強含んでいる。
日本円は対ユーロ (EURJPY=)で0.35%上昇。対ドル
米労働省が18日発表した6月13日終了週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は150万8000件となった。前週の156万6000件(改定)からは減少したものの、企業のレイオフ(一時解雇)第2波を背景に申請件数は高止まりし、新型コロナ流行の影響からの景気回復が緩慢なペースとなる兆候を示唆した。市場予想は130万件だった。
アクション・エコノミクスのアナリストは「米フィラデルフィア連銀業況指数が大幅に回復したものの、予想をはるかに上回る新規失業保険申請件数や米国を中心に世界中で新型コロナ感染が広がっていることに対する懸念の高まりが安全通貨への新たな買いにつながり、ドルが上昇した」と述べた。
<債券> 米金融・債券市場では利回りが低下した。新型コロナウイルスの感染者数が米国の複数州で増加し、期待通りのペースで景気が回復しないのではという懸念が高まった。
17日には複数の州で感染者が急増。カリフォルニア州やテキサス州では1日の新規感染者が過去最多を更新した。
ドイツでは北部の食肉処理場で従業員約400人が新型コロナ検査で陽性が確認された。一方、中国の医療専門家は北京でこのほど発生した集団感染は制御された状態にあると述べた。
ウェルズ・ファーゴの金利ストラテジスト、ザック・グリフィス氏は、現時点では新型コロナの動向が関心だとし、「市場は前向きな経済指標の増加とウイルス流行とのバランスを取ろうとしている」と述べた。
午後の取引で米10年債利回り (US10YT=RR)は小幅に低下し、約4ベーシスポイント(bp)低下の0.694%。5月の米雇用統計で予想外に雇用が増加したことを受け、今月5日には0.959%まで上昇したが、その後は景気回復への楽観論が後退し、低下している。
<株式> 米国株式市場では、主要3指数は狭い範囲内での動きとなり、S&P総合500種 (SPX)とナスダック総合 (IXIC)が小幅高で引けた。市場では新型コロナウイルス感染拡大の第2波に対する懸念のほか、米経済指標でV字型回復が実現する公算が小さいと示されていることが意識されている。
主要3株価指数はレンジ内で行き来したが、S&Pとナスダックは上昇して取引を終えた。ダウ工業株30種 (DJI)は小幅安。
ホライゾン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は、市場は次の大きな材料を探しているとし、「市場には、投資家が次の方向性を見極めるために比較し、より分け、考慮すべき多くの材料がある」と述べた。
米国では複数州で経済再開後に新型コロナ感染者が急増しているが、トランプ大統領は感染抑制に向け再び都市封鎖を行うつもりはないと述べた。
アリアンツ・インベストメント・マネジメントのシニア市場ストラテジスト、チャーリー・リプリー氏は「投資家は様子見モードにある」と指摘。「景気は回復に向かっているとみられているが、その途中には障害があり、感染者数の増加もその一つだろう」と述べた。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米景気先行指数の改善などを受け、続落した。
米民間有力調査会社コンファレンス・ボードがこの日発表した5月の景気先行指標総合指数は99.8と、前月比で2.8%上昇。市場予想の2.3%上昇を上回った。また、最新週の米失業保険申請件数は150万8000件と、前週の改定値から5万8000件減少。新型コロナウイルスの感染拡大で停滞した経済活動の再開が進む中、3月下旬をピークに11週間連続で減っている。
さらに、中国・北京市の食品卸売市場から新型コロナの感染が広がったことについて、中国疾病予防コントロールセンターの専門家は18日、「北京の感染拡大は既に制御された」との認識を示した。このため、安全資産とされる金の需要は鈍化。金相場は上値の重い展開となった。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、産油国による協調減産順守への期待から反発した。
石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は18日、合同閣僚監視委員会(JMMC)の会合を開催。現在実施している全体で日量970万バレルの減産をめぐり、イラクやカザフスタンなど目標を達成できなった国々による補填(ほてん)計画を協議した。ロイターによると、5月の全体の順守率は87%だった。この日の市場では、協調減産の順守に向けた産油国の姿勢が好感された。
一方、新型コロナウイルスの感染拡大「第2波」への警戒感が相場の上昇を抑えた。早期に経済活動を再開した米国の一部の州で感染者数が急増しており、エネルギー需要の回復に懐疑的な見方も出ている。
ドル/円 NY終値 106.96/106.99
始値 106.99
高値 107.09
安値 106.68
ユーロ/ドル NY終値 1.1202/1.1205
始値 1.1254 (EUR=)
高値 1.1258
安値 1.1187
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 94*15.00 1.4795% (US30YT=RR)
前営業日終値 93*15.00 1.5230%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*07.00 0.7068% (US10YT=RR)
前営業日終値 98*31.00 0.7330%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*19.00 0.3328% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*18.00 0.3390%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*27.63 0.1953% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*27.50 0.1970%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 26080.10 -39.51 -0.15 (DJI)
前営業日終値 26119.61
ナスダック総合 9943.05 +32.52 +0.33 (IXIC)
前営業日終値 9910.53
S&P総合500種 3115.34 +1.85 +0.06 (SPX)
前営業日終値 3113.49
COMEX金 8月限 1731.1 ‐4.5
前営業日終値 1735.6
COMEX銀 7月限 1750.8 ‐26.7
前営業日終値 1777.5
北海ブレント 8月限 41.51 +0.80 (LCOc1)<0#LCO:>
前営業日終値 40.71
米WTI先物 7月限 38.84 +0.88 (CLc1)<0#CL:>
前営業日終値 37.96
CRB商品指数 137.0559 +0.6718 (TRCCRB)
前営業日終値 136.3841
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