[2日 ロイター] -
<為替> 米大統領選への警戒感から、ドルが上昇し、主要通貨バスケットに対し1カ月ぶり高値を更新した。主要通貨の予想変動率も4月以来の水準に上昇した。
全米の支持率調査では民主党のバイデン大統領候補がトランプ大統領をリードしているものの、激戦州では互角の戦いとなっている。しかし、ウェルズ・ファーゴのマクロストラテジスト、エリック・ネルソン氏は、前回2016年の大統領選でトランプ大統領が予想に反し勝利したことから、投資家は世論調査を手掛かりにすることに消極的となっていると指摘する。
終盤の取引でドル指数 (=USD)は0.02%高の94.12。一時、9月29日以来の高値となる94.29を付けた。
ユーロ/ドル (EUR=)は0.14%安の1.1631ドル、ドル/円
ユーロ/ドル
ノムラの為替アナリスト、ジョーダン・ロチェスター氏は「大統領選に絡むヘッジ向けの流動性が逼迫しており、ボラティリティーは高まっている」と指摘した。
新型コロナウイルス感染が世界的に急拡大していることもセンチメントを悪化させた。ロイターの集計によると、欧州では新規感染者数が5週間で倍増し、1日に累計1000万人を突破した。
ポンド/ドル
今週は米大統領選に加え、4─5日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)や6日発表の米雇用統計にも注目が集まる。
<債券> 利回りがおおむね低下した。3日に迫った米大統領選など週内のイベントに投資家が備える格好となった。
10年債利回り (US10YT=RR)は終盤の取引で0.8502%。下げ幅は1ベーシスポイント(bp)未満だった。
パイパー・サンドラーの債券戦略部門責任者、ジャスティン・ホーゲンドーン氏は「嵐の前の静けさと見ていいだろう」と語った。
米大統領選は、民主党のバイデン候補が全米の世論調査でリードしているものの、激戦州では共和党のトランプ大統領と僅差の争いが続いている。
アクション・エコノミクスのグローバル債券分析担当マネジングディレクター、キム・ルパート氏は「多くのことが選挙結果次第だが、あすの夜には結果は出ないかもしれない」と述べた。
またジャスティン・ホーゲンドーン氏は「ブルーウェーブ(民主党の圧勝)が起きれば、景気刺激策がより大規模になり、一般的には経済には良いはずだが、国債には必ずしも良いとは限らない」と述べ、国債供給量がすでに大幅に増加していると指摘した。
米財務省はこの日、第4・四半期に6170億ドルの国債を発行する発表し、年末時点の資金残高を8000億ドルと予想した。
米連邦準備理事会(FRB)は4日から2日間の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。
ルパート氏はFOMCについて、「何かが起きるとは思っていない。FRBは波風を立てないようにしたいだろう」と述べた。
6日には10月の雇用統計が発表される。4月に14.7%まで急上昇した失業率は、9月に7.9%まで改善した。
終盤の2年債利回り (US2YT=RR)は1bp足らずの上昇となる0.1584%だった。
2年債と10年債の利回り格差
<株式> 反発し、ダウ工業株30種 (DJI)は423ドル高で引けた。大統領選の投票を3日に控え、警戒感も広がった。
共和党の現職トランプ大統領と民主党のバイデン候補は2日、激戦州で最後の訴えを行った。
投資家は短期的なボラティリティーの上昇を見込んでいる。
バリュー株 (RLV)が1.9%高と、約5カ月ぶりの高い伸びを記録。シタデル・セキュリティーズ(ニューヨーク)のピーター・ジャッキ氏は「これがセクターローテーションなのか、機関投資家による物色なのか、あるいや投機的な買いなのかは分からないが、こうした動きが長引くほどボラティリティーは高まる」と述べた。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX、恐怖指数) (VIX)は小幅低下。先週は約4カ月ぶりの水準に跳ね上がっていた。
今週は大統領選の結果に加え、米連邦公開市場委員会(FOMC)や企業決算なども注目される。
洗剤・漂白剤メーカーのクロロックス (N:CLX)が4.2%高。新型コロナウイルス禍で衛生需要が高まる中、四半期の売上高が約20年ぶりの高い伸びを記録。通期の売上高見通しも引き上げた。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.94対1の比率で上回った。ナスダックでも2.04対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は90億1000万株。20日平均では91億株。
<金先物> 米大統領選挙を控えて先行き不透明感が広がる中、「安全資産」としての買いが優勢となり、続伸した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前週末比12.60ドル(0.67%)高の1オンス=1892.50ドル。
米大統領選を翌3日に控え、この日は終日動意に乏しい展開。20ドル余りの狭いレンジで取引された。投資家は選挙結果判明後の市場の乱高下の可能性などに備えている。米欧で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、先行き懸念が台頭していることも「安全資産」としての金需要を支えている。
外国為替市場で、急激なドル高・ユーロ安が一服したこともドル建てで取引される金の売りを抑えた。
<米原油先物> 米大統領選挙を翌3日に控えて様子見ムードが強まる中、持ち高調整の買い戻しが入り、4営業日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前週末比1.02ドル(2.85%)高の1バレル=36.81ドル。1月物は1.03ドル高の37.18ドルだった。
ロイター通信によると、10月30日に米国内で確認された新型コロナウイルスの感染者は10万人を突破し、1日の世界最多を更新。また、新型コロナ感染の「第2波」が広がる欧州各国では外出制限措置などが相次ぎ発動されたため、経済活動の停滞に伴うエネルギー消費の鈍化懸念がくすぶり、相場は早朝にかけて軟調に推移していた。
しかし、朝方の米株式相場が大幅高で始まると、同じくリスク資産である原油先物にも買い戻しが入り、プラス圏に浮上。3日投開票の大統領選をめぐっては、新型コロナ流行による郵便投票の急増で、勝者確定までの流れに不透明感が漂う。このため、この日は持ち高調整の商いが中心となり、米株高などを追い風に原油先物にも買い戻しの動きが台頭。米サプライ管理協会(ISM)が午前に発表した10月の製造業購買担当者景況指数(P MI)が2018年9月以来の高水準となったことも相場上昇を後押しした。
ドル/円 NY終値 104.71/104.74
始値 104.72
高値 104.87
安値 104.64
ユーロ/ドル NY終値 1.1640/1.1644
始値 1.1649 (EUR=)
高値 1.1654
安値 1.1624
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 94*05.50 1.6225% (US30YT=RR)
前営業日終値 93*28.00 1.6360%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*28.00 0.8518% (US10YT=RR)
前営業日終値 97*26.00 0.8590%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*11.50 0.3797% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*11.25 0.3810%
2年債(指標銘柄) 13時10分 99*29.88 0.1584% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*30.25 0.1520%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 26925.05 +423.45 +1.60 (DJI)
前営業日終値 26501.60
ナスダック総合 10957.61 +46.02 +0.42 (IXIC)
前営業日終値 10911.59
S&P総合500種 3310.24 +40.28 +1.23 (SPX)
前営業日終値 3269.96
COMEX金 12月限 1892.5 +12.6
前営業日終値 1879.9
COMEX銀 12月限 2403.3 +38.7
前営業日終値 2364.6
北海ブレント 1月限 38.97 +1.03 (LCOc1)<0#LCO:>
前営業日終値 37.94
米WTI先物 12月限 36.81 +1.02 (CLc1)<0#CL:>
前営業日終値 35.79
CRB商品指数 145.9063 +1.1774 (TRCCRB)
前営業日終値 144.7289 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20201102T223933+0000