中国の輸出が12月に予想外に下落したことを受け、 世界第2位の中国経済のさらなる弱体化と世界的な需要の悪化を市場が懸念し、安全資産である円は上昇し、豪ドルは下落した。
USD / JPYは、午後6時40分時点で0.37%下落し108.14となった。
12月の中国の輸出は前年比で予想外に減少し、直近2年間で最大の落ち込みを見せ、輸入も大きく下がった。
また2018年に中国が米国に対し最大の貿易黒字を記録したことも発表され、これによりドナルド・トランプ米大統領が貿易戦争で中国に対しより厳しく対応する可能性がある。
リスクに敏感な豪ドルとニュージーランドドルはともに弱く、 AUD / USDは0.38%安の0.7188、 NZD / USDは0.35%安の0.6808となった。
米中貿易協議の進展と中国の経済刺激策への期待からリスクセンチメントが改善したので、両通貨は先週ドルに対して約1.5%上昇していた。
CMC MarketsのチーフマーケットストラテジストであるMichael McCarthy氏は「商品通貨で見られたサポートを考えると、下落は利益確定売りと見るのが合理的です。私は上昇トレンドがすぐに再開すると予想します」と述べた。
今年に連邦準備制度理事会(FRB)が利上げをしないという投資家の予想が高まる中、ドルは他の主要通貨に対して下落した。ドルインデックスは95.29となっている。
4度のFRBの利上げがあり、ドルが4.3%上昇した2018年に対し、今年はFRBが金融引き締めを中止すると投資家は予想している。国内および世界の経済成長の減速とインフレ率の鈍化が懸念されるため、FRBは利上げに躊躇すると市場参加者は考えているのだ。
パウエルFRB議長は先週、インフレが安定していることを考えると、FRBは金融政策に我慢強くなることができると繰り返し述べた。
金曜日に発表された12月の米国の消費者物価は9ヶ月ぶりに下落した。
ユーロは安定的に推移しており、 EUR / USDは1.1460となっている。
非常に不安定な週になると予想されるポンドは GBP / USDが1.2838とわずかに下落した。
テレサ・メイ首相はブレグジット案に関して火曜日に議会で投票を行い、勝利しなければならないが、負ければ欧州連合からのイギリスの離脱が混沌とする危険性がある。数ではメイ首相が不利であり、首相の勝つチャンスは非常に少なく見える。
CMCのMcCarthy氏は「市場は案が議会を通過しないと予想しています。ポンドの上限は1.2940ドルだと思います」と述べた。