[ニューヨーク 28日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、米中通商合意への期待から安全通貨が売られ、ドル指数が下落したほか、円は対ドルで3カ月ぶりの安値を付けた。
トランプ米大統領はこの日、中国との通商協議について、予定より早くかなり大きな合意に署名する可能性があると述べた。ただ、具体的なタイミングについては明らかにしなかった。
前週25日にはライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とムニューシン財務長官が中国の劉鶴副首相と電話協議を実施し、USTRが「特定の問題について前進し、一定の分野で合意に近づいている」と表明。翌26日には中国商務省が、前日の電話協議でいくつかの部分について実務的な調整が完了したと発表した。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの外為戦略部門グローバル責任者、ウィン・シン氏は「通商問題を巡りプラスのニュースが続いていることで、通商を巡る緊張は緩和しつつあるとのわれわれの見方が裏付けられている」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.07%安の97.760。円は対ドルで109.03円まで下落し、8月1日以来の安値を付けた。
中国経済動向に敏感に反応する豪ドルは対米ドルで0.25%上昇し0.6839米ドルとなっている。
欧州連合(EU)のトゥスク大統領はこの日、英国の離脱期限を来年1月31日まで延期することでEUが合意したと表明。合意なき離脱が回避されるとの期待もリスク選好度の上昇に寄与している。
今週は連邦準備理事会(FRB)が29─30日に開く連邦公開市場委員会(FOMC)に注目。FRB政策担当者の間では利下げを継続すべきか見解が分かれており、市場では将来的な利下げを巡る示唆があるか注目されている。
ラボバンクのシニア外為ストラテジスト、ジェーン・フォーリー氏は「FRBの来年の政策について先行き不透明性が高い状態が続いている。FRBがどちらの方向に向かうのか、市場は手掛かりを探っている」と述べた。
ドル/円 NY終値 108.94/108.97
始値 108.71
高値 109.03
安値 108.70
ユーロ/ドル NY終値 1.1098/1.1102
始値 1.1094
高値 1.1107
安値 1.1085