■株式相場見通し
予想レンジ:上限27500-下限26000円
来週の日経平均は神経質な展開か。
対ロ制裁第2弾には、銀行間の国際決済ネットワークである国際銀行間通信協会(SWIFT)からのロシアの排除や、ドイツとロシアを結ぶガス輸送パイプライン「ノルドストリーム2」の承認中止以外の新たなエネルギー関連の制裁は含まれなかった。
これにより、世界経済への大きな打撃は避けられるとの安心感が台頭。
ウクライナ情勢を巡る不透明感から、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが後退するとの思惑も働き、相場の反発につながった。
ロシア・ウクライナの停戦交渉への期待も高まってきており、地政学リスクはひとまず後退しそうだ。
日米ともに、主要株価指数を対象とした商品投資顧問(CTA)など短期筋による売り持ち高はかなり積み上がってきているようで、需給的にも今週末の買い戻しが進展する余地はまだ残されている可能性があろう。
ただ、ウクライナ情勢の先行きについて油断は禁物だ。
首都キエフでの戦闘はまだ続いているようで、停戦交渉が平和的な解決に繋がるかも不透明。
事態は依然として混迷を極めており、波乱の余地は残されていよう。
また、週半ばの3月2~3日にはパウエルFRB議長の議会証言が予定されている。
3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)前にヒントを得ようと神経質な展開が想定される。
内容次第では、金融引き締めペースが後退するとの期待も再考を迫られることになろう。
そのほか、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する景況指数のほか、週末には米2月雇用統計が発表される。
内容を見極めたいとの思惑から積極的な買いは手控えられる可能性があろう。
さらに、ウクライナは天然ガスや鉄鋼製品、農産物などのインフラ網として重要な地点だ。
発動される可能性は低いものの、ロシアのSWIFT排除や新たなエネルギー関連の制裁が科されるとなれば、世界経済への打撃は大きい。
また、既に高止まりしているエネルギー・食料品価格の一段の上昇にも繋がりかねない。
その場合、景気後退と同時にFRBの引き締めペース加速も連想され、負の連鎖が警戒される。
今週後半は三井物産 (T:8031)や三菱商事 (T:8058)などの商社関連株に利益確定売りが広がる場面が見られたが、インフレ高進が引き続き警戒されるなか、資源関連株が再び持ち直す可能性は高い。
自社株買いや配当など株主還元にも積極的なため、3月期末に向けて物色余地は残されているだろう。
同様の観点から、ソフトバンク (T:9434)などの高配当利回り株にも注目したい。
地政学リスクや金融引き締め懸念など外部環境の不透明感による影響が比較的小さいディフェンシブセクターであることも安心感がある。
地政学リスクが再び高まる場面では、供給網混乱への思惑から日本郵船 (T:9101)などの大手海運株への物色が再燃する可能性もあろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は下げ渋りか。
ロシアによるウクライナ攻撃がすみやかに終了するとの見方は少ないものの、ロシアのプーチン大統領はウクライナ側とハイレベル協議を開く意向を示した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、交渉の場所と時間について協議していると述べており、停戦に向けた協議が進展する可能性がある。
ただ、ウクライナ情勢については予断を許さない状況に変わりないことから、安全逃避的なドル買いがただちに縮小する可能性は低いとみられる。
米国の金融政策に対する市場の関心も高い。
3月2日、3日に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が半期に1度の議会証言を行う。
ロシアによるウクライナ攻撃が金融市場に与える影響などを考慮しつつ、3月の利上げ開始について言及する可能性がある。
なお、経済指標では3月4日発表の2月雇用統計が有力な手掛かり材料になりそうだ。
労働市場の活性化が確認された場合、3月15-16日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ決定を想定してドル買い・円売りは継続するとみられる。
■来週の注目スケジュール
2月28日(月):日・鉱工業生産指数(1月)、日・小売売上高(1月)、日・住宅着工件数(1月)、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(2月)、米・アトランタ連銀総裁がオンライン討論会に参加、モバイル・ワールド・コングレス(MWC)(3月3日まで)など
3月1日(火):日・中・米・製造業PMI(2月)、日・自動車販売台数(2月)、中・非製造業PMI(2月)、中・財新製造業PMI(2月)、米・ISM製造業景況指数(2月)、米・バイデン大統領の一般教書演説など
3月2日(水):日・10-12月期法人企業統計、ビーウィズが東証1部に新規上場、欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(2月)、米・ADP全米雇用報告(2月)、米・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が下院金融委員会で半期に1度の議会証言、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、米・セントルイス連銀総裁が講演、「OPECプラス」閣僚級会合など
3月3日(木):日・欧・米・サービス業PMI(2月)、イメージ・マジックが東証マザーズに新規上場、中・財新サービス業PMI(2月)、米・ISM非製造業景況指数(2月)、米・パウエルFRB議長が上院銀行委員会で半期に1度の議会証言など
3月4日(金):日・有効求人倍率/失業率(1月)、米・雇用統計(2月)など
3月5日(土):中・全国人民代表大会(全人代)開幕
予想レンジ:上限27500-下限26000円
来週の日経平均は神経質な展開か。
対ロ制裁第2弾には、銀行間の国際決済ネットワークである国際銀行間通信協会(SWIFT)からのロシアの排除や、ドイツとロシアを結ぶガス輸送パイプライン「ノルドストリーム2」の承認中止以外の新たなエネルギー関連の制裁は含まれなかった。
これにより、世界経済への大きな打撃は避けられるとの安心感が台頭。
ウクライナ情勢を巡る不透明感から、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが後退するとの思惑も働き、相場の反発につながった。
ロシア・ウクライナの停戦交渉への期待も高まってきており、地政学リスクはひとまず後退しそうだ。
日米ともに、主要株価指数を対象とした商品投資顧問(CTA)など短期筋による売り持ち高はかなり積み上がってきているようで、需給的にも今週末の買い戻しが進展する余地はまだ残されている可能性があろう。
ただ、ウクライナ情勢の先行きについて油断は禁物だ。
首都キエフでの戦闘はまだ続いているようで、停戦交渉が平和的な解決に繋がるかも不透明。
事態は依然として混迷を極めており、波乱の余地は残されていよう。
また、週半ばの3月2~3日にはパウエルFRB議長の議会証言が予定されている。
3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)前にヒントを得ようと神経質な展開が想定される。
内容次第では、金融引き締めペースが後退するとの期待も再考を迫られることになろう。
そのほか、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表する景況指数のほか、週末には米2月雇用統計が発表される。
内容を見極めたいとの思惑から積極的な買いは手控えられる可能性があろう。
さらに、ウクライナは天然ガスや鉄鋼製品、農産物などのインフラ網として重要な地点だ。
発動される可能性は低いものの、ロシアのSWIFT排除や新たなエネルギー関連の制裁が科されるとなれば、世界経済への打撃は大きい。
また、既に高止まりしているエネルギー・食料品価格の一段の上昇にも繋がりかねない。
その場合、景気後退と同時にFRBの引き締めペース加速も連想され、負の連鎖が警戒される。
今週後半は三井物産 (T:8031)や三菱商事 (T:8058)などの商社関連株に利益確定売りが広がる場面が見られたが、インフレ高進が引き続き警戒されるなか、資源関連株が再び持ち直す可能性は高い。
自社株買いや配当など株主還元にも積極的なため、3月期末に向けて物色余地は残されているだろう。
同様の観点から、ソフトバンク (T:9434)などの高配当利回り株にも注目したい。
地政学リスクや金融引き締め懸念など外部環境の不透明感による影響が比較的小さいディフェンシブセクターであることも安心感がある。
地政学リスクが再び高まる場面では、供給網混乱への思惑から日本郵船 (T:9101)などの大手海運株への物色が再燃する可能性もあろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は下げ渋りか。
ロシアによるウクライナ攻撃がすみやかに終了するとの見方は少ないものの、ロシアのプーチン大統領はウクライナ側とハイレベル協議を開く意向を示した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、交渉の場所と時間について協議していると述べており、停戦に向けた協議が進展する可能性がある。
ただ、ウクライナ情勢については予断を許さない状況に変わりないことから、安全逃避的なドル買いがただちに縮小する可能性は低いとみられる。
米国の金融政策に対する市場の関心も高い。
3月2日、3日に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が半期に1度の議会証言を行う。
ロシアによるウクライナ攻撃が金融市場に与える影響などを考慮しつつ、3月の利上げ開始について言及する可能性がある。
なお、経済指標では3月4日発表の2月雇用統計が有力な手掛かり材料になりそうだ。
労働市場の活性化が確認された場合、3月15-16日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ決定を想定してドル買い・円売りは継続するとみられる。
■来週の注目スケジュール
2月28日(月):日・鉱工業生産指数(1月)、日・小売売上高(1月)、日・住宅着工件数(1月)、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(2月)、米・アトランタ連銀総裁がオンライン討論会に参加、モバイル・ワールド・コングレス(MWC)(3月3日まで)など
3月1日(火):日・中・米・製造業PMI(2月)、日・自動車販売台数(2月)、中・非製造業PMI(2月)、中・財新製造業PMI(2月)、米・ISM製造業景況指数(2月)、米・バイデン大統領の一般教書演説など
3月2日(水):日・10-12月期法人企業統計、ビーウィズが東証1部に新規上場、欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(2月)、米・ADP全米雇用報告(2月)、米・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が下院金融委員会で半期に1度の議会証言、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、米・セントルイス連銀総裁が講演、「OPECプラス」閣僚級会合など
3月3日(木):日・欧・米・サービス業PMI(2月)、イメージ・マジックが東証マザーズに新規上場、中・財新サービス業PMI(2月)、米・ISM非製造業景況指数(2月)、米・パウエルFRB議長が上院銀行委員会で半期に1度の議会証言など
3月4日(金):日・有効求人倍率/失業率(1月)、米・雇用統計(2月)など
3月5日(土):中・全国人民代表大会(全人代)開幕