[東京 27日 ロイター] - 野村ホールディングス(HD) (T:8604)の永井浩二社長兼グループ最高経営責任者(CEO)はロイターとのインタビューで、世界的な低金利や日本固有の少子高齢化、東京一極集中などの「メガトレンド」を念頭に、変革への取り組みを次世代に託す考えを述べた。富裕層向けに開業した中国合弁「野村東方国際」で、資金調達やM&A(買収・合併)なども含めたフルラインアップ化を今後数年で実現することへの期待感も示した。
永井氏は2020年4月1日付で代表権のない会長に退き、後任に、奥田健太郎副社長が就任する。野村HDのトップ交代は約8年ぶりとなる。
リーマン・ショックの影響が残るなかで社長就任時の12年は連結決算上の1株あたり純利益(EPS)が、ひと桁台に陥った。12年3月期のEPSは3.1円だった。当時を振り返って永井CEOは「財務基盤を健全にする優先課題があった。新たに目標に据えた『EPS50円』は(14年に)2年前倒しで達成できた」と述べ、財務体質の改善にはめどがついたと強調した。インタビューは18日に実施した。
低金利に伴う国債取引の流動性低下や都市圏に人口が集中する現状、電子取引の増加など外部環境の変化には「継続してビジネスプラットフォームを再構築する必要がある」との認識を重ねて示した。22年3月期までのコスト削減目標(1400億円)では、法人向けのホールセール部門や営業部門に加え、コーポレート部門でも抜本的な見直しを実施する選択肢を示した。
(山口貴也、梅川崇)