7日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想したい。
米中貿易協議に対する過度の期待は後退し、リスク選好の円売りは弱まろう。
一方で、摩擦再燃への警戒感で安全通貨買いの流れとなればドル買いに振れやすく、ドル・円の下げは小幅にとどまりそうだ。
米中貿易協議の進展に対する過度の期待が弱まっている。
海外メディアによると、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は貿易協議に関し部分合意に署名する方向で調整中だが、首脳会談の時期が12月にずれ込む可能性が浮上。
10月以降、トランプ政権の対中制裁の一部解除など両国の歩み寄りが市場の安定要因となっていただけに、報道を受け前日までのリスクオンのムードは後退。
本日のアジア市場では日本株安などを手がかりにややリスク回避の円買いが進んだ。
ドル・円は午前中に一時108円60銭台まで売られ、下値を模索する展開となった。
この後の海外市場でも、引き続き米中協議の行方を見極める展開となりそうだ。
ウィリアムズNY連銀総裁は前日、今後の金融政策について中立的な見解を示した。
ただ、米中の摩擦解消がとん挫すれば米国経済の下押し要因となるため、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策にも影響する。
それによる追加利下げ観測でドル売りに振れやすくなるだろう。
半面、ドルは安全通貨として円やスイスフランとともに買いが見込まれ、アジア市場では欧州やオセアニアの通貨に対して強含んだ。
ドル・円は円買いに押されやすいが、ドルの下げは小幅にとどまるとみる。
(吉池 威)【今日の欧米市場の予定】・18:00 欧州中央銀行(ECB)経済報告・19:00 欧州委員会経済見通し・21:00 英中銀が政策金利発表(0.75%に据え置き予想)・21:30 カーニー英中銀総裁会見・22:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.5万件、前回:21.8万件)・03:00 米財務省30年債入札(190億ドル)・03:05 カプラン米ダラス連銀総裁講演・05:00 米・9月消費者信用残高(予想:+150.00億ドル、8月:+179.01億ドル)・ユーロ圏財務相会合