本日のマザーズ指数は、外部環境の悪化に振らされるかたちとなった。
前日の米国市場は、一部米メディアが「中国高官らは包括的で長期的な合意に疑問を呈している」と報じたことで先行き不透明感が高まり、主要3指数は揃って反落。
これを受けて為替が日本時間の早朝に一時1ドル=107円90銭台に突入するまでの円高水準になったこともあり、本日のマザーズ指数はリスクオフムードのなか反落して始まった。
ただ、その後、為替の円高基調の一服や、中国を中心としたアジア市場の堅調さを背景に、次第に個人投資家のセンチメントも改善し、個別株物色も盛んになり、下げ幅をじりじりと縮小していった。
他方で、週末3連休前であることに加え、米国の経済指標の発表が控えているといった要因もあり、積極的に上値を追う展開とまでは至らず、結局、朝方下げた分を取り戻して、前日比で変わらずの水準で終わった。
個別では、塩野義製薬 (T:4507)によるTOB(株式公開買い付け)価格にサヤ寄せされたUMNファーマ (T:4585)が前日比17%超のストップ高水準まで買い進まれ大きく続伸となったほか、AIカメラによるリアル店舗解析ツールを提供する台湾のSkyREC Inc.との業務提携を発表したアジャイル (T:6573)が6%超の上昇を見せて大幅続伸となった。
その他では、大きく2日続伸となって一気に75日移動平均線を上抜いてきたVALUENEX (T:4422)をはじめ、再び25日線上に復帰した手間いらず (T:2477)、シンメンテ (T:6086)、直近IPO銘柄のセルソース (T:4880)、Link-U (T:4446)、ギフティ (T:4449)、カオナビ (T:4435)、ブランジスタ、などが値上がり率上位にランクインした。
一方、第3四半期の累計営業利益が2ケタの減益となったJIA (T:7172)が24%超とストップ安水準まで売られたほか、連日ストップ高を演じた反動が続いた中村超硬 (T:6166)も18%超の大幅続落となった。
また、窓をあけて大きく75日線を割ったEduLab (T:4427)は16%超、上半期営業利益が2ケタ減益となったファンデリー (T:3137)が13%超と、それぞれ大きく下落した。
このほか、直近IPO銘柄であるジェイック (T:7073)やインティメート・マージャー (T:7072)をはじめ、ピーバンドットコム (T:3559)、サイジニア (T:6031)、パワーソリューションズ (T:4450)、メディア工房 (T:3815)などが値下がり率上位に並んだ。
本日マザーズ市場に新規上場したダブルエー (T:7683)は公開価格を0.2%下回る4680円で初値を付け、そのまま下げ幅を拡げるかたちで4225円が終値となった。
なお、売買代金は概算で554.94億円。
騰落数は、値上がり137銘柄、値下がり141銘柄、変わらず21銘柄となった。