27日の香港市場は小幅に値下がり。
主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比16.26ポイント(0.06%)安の25664.07ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が17.32ポイント(0.17%)安の9996.19ポイントとそろって続落した。
売買代金は927億6000万香港ドルとなっている(26日は1040億9100万香港ドル)。
人民元安の進行を嫌気する流れ。
27日の上海外国為替市場では、対米ドルで元安が進み、約11年半ぶりの安値水準に落ち込んだ。
香港情勢の不透明感も続く。
香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は27日、「デモによる暴力行為には我慢の限界がある」と警告した。
反政府デモは先週末に再び過激化し、25日夜には香港警察が初めて威嚇発砲している。
ファンド資金の流出も警戒された。
MSCIは27日引け後、グローバル株価指数のA株組み入れ比率を10→15%に引き上げるため、相対的に香港株のウエートが引き下がる見通し。
米中通商協議の進展期待などを手がかりに指数はプラス圏に浮上する場面がみられたものの、上値は重く、中盤以降に売りが優勢となった。
ハンセン指数の構成銘柄では、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が4.4%安、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)と紙製サニタリー用品最大手の恒安国際集団(1044/HK)がそろって2.4%安、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が2.3%安と下げが目立った。
業種別では、保険が安い。
衆安在線財産保険(6060/HK)が11.6%、中国太平洋保険集団(2601/HK)が4.1%、中国人民財産保険(2328/HK)が2.4%、新華人寿保険(1336/HK)が2.2%ずつ値を下げた。
他の個別株動向では、即席麺・飲料大手の康師傅HD(ティンイー:322/HK)が6.8%安。
中間決算で15%増益を確保したものの、市場予想には届かず、一部の大手ブローカーが同社株の投資判断を引き下げた。
半面、港湾・海運セクターは高い。
廈門国際港務(アモイ国際港務:3378/HK)が3.2%、中遠海運港口(1199/HK)が2.7%、中遠海運能源運輸(1138/HK)が3.6%、中遠海運HD(1919/HK)が2.2%ずつ上昇した。
港湾株に関しては、中国の自由貿易試験区(FTZ)がこれまでの12カ所から18カ所に拡充されることも支援材料。
中国国務院が26日に正式発表した。
ゼネコンなどインフラ建設セクターも物色される。
中国中鉄(390/HK)が2.9%高、中国建築国際集団(3311/HK)が2.7%高、中国交通建設(1800/HK)が2.6%高、中国鉄建(1186/HK)が1.3%高と値を上げた。
一方、本土市場は反発。
主要指標の上海総合指数は、前日比1.35%高の2902.19ポイントで取引を終えた。
ハイテク株と証券株が高い。
自動車株、消費関連株、運輸株、インフラ関連株、不動産株、医薬品株、資源・素材株、銀行株など幅広く物色された。
【亜州IR】