[東京 8日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比21円78銭高の2万3352円10銭となり、小幅続伸。6日の立ち会い時間中に付けた年初来高値2万3352円56銭を更新した。米中通商協議が貿易戦争の過程で発動した追加関税を段階的に撤廃することで合意したことを受け、米国株式市場が最高値を更新し、その流れを受けて買い先行で始まった。ただ、週末である上、これまでの上昇で高値警戒感が強く、利益確定売りもかさんで伸び悩んだ。
中国商務省の高峰報道官は7日の会見で、中国と米国がここ2週間の間に双方が貿易戦争の過程で発動した追加関税を段階的に撤廃することで合意したと明らかにした一方で、米政府高官も同日、匿名を条件に、第1段階の合意の一環として関税撤廃が計画されていることを確認した。それを受け、米国株式市場は、ダウとS&P500が終値で最高値を更新した。
外為市場では、ドル/円が109円台で推移しており、これも買い安心感を誘っている。朝方は、オプションSQ(特別清算指数)算出に絡む買い注文も加わり、大きく上昇して始まった。しかし、高値警戒感から伸びを欠き、実質的な前場の高値はSQ値(2万3637円93銭)となった。週末であるため、後場は模様眺めになるとの見方もある。
市場では「米中対立で世界景気が悪化するという投資の前提が覆った。そうなると今後は、これまでと反対に景気の上向きを買うような動きになる」(東洋証券・ストラテジストの大塚竜太氏)との声が聞かれた。
TOPIXは0.15%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆6712億5000万円だった。東証33業種では、精密機器の上昇が目立つ。
個別では、トヨタ自動車 (T:7203)が連日の年初来高値更新となったほか、ソフトバンクグループ (T:9984)もしっかり。半面、資生堂 (T:4911)が大幅安となり、ファーストリテイリング (T:9983)も軟化した。
東証1部の騰落数は、値上がりが1102銘柄に対し、値下がりが936銘柄、変わらずが115銘柄だった。