[上海 6日 ロイター] - 中国の規制当局はアリババ集団 (N:BABA)や京東集団(JDドットコム) (O:JD)などネット通販大手に対し、独占的と見なされる可能性がある慣行をやめるよう要求した。
国営新華社の5日の報道によると、中国の独占禁止当局である国家市場監督管理総局(SAMR)が電子商取引(EC)サイトを運営する20社以上と会合を開き、出店事業者が競合サイトで商品を販売するのを阻止するために独占提携契約への署名を強要する慣行をやめるよう求めた。
複数のECサイト運営会社やEC事業者はこのところ、アリババの仮想商店街「天猫(Tモール)」でいわゆる「二者択一」の慣行が存在するとして批判の声を上げている。
新華社によると、SAMRの当局者は「サイト運営会社の活動によって最近、幾つかの問題が浮上した」と指摘。一例として、サイト間の競争が激化するなか、「二者択一」慣行が生まれ、多くの当事者が懸念を強めているとしたうえで、このような慣行は独占禁止やEC関連の法律に違反していると伝えた。
この慣行を巡っては、JDドットコムの子会社2社がTモールに対して訴訟を提起しており、賠償金の支払いや謝罪を求めている。北京の裁判所が先月、訴訟の詳細を公表した。
地方政府系のメディアは6日、ECサイト運営のピン多多(ドゥオドゥオ) (O:PDD)と唯品会(ビップショップ・ホールディングス) (N:VIPS)がJDドットコムの訴訟への参加を北京の裁判所に申し立てたと伝えた。3社とも騰訊控股(テンセント・ホールディングス) (HK:0700)が出資している。
JDドットコムはロイターに書面で「自由で公正かつ合法的な競争をわれわれは強く支持するが、業界の全員が賛同しているわけではない」とし、「販売事業者と消費者は介入を受けることなく、それぞれが望む場所で商品を販売したり購入できるのが当然」と強調した。
ビップショップとピン多多は訴訟についてコメントを控えた。アリババとテンセントからもコメントは得られていない。