日経平均は6日ぶり反落。
105.24円安の22172.73円(出来高概算6億1127万株)で前場の取引を終えた。
前日の米国株式市場では、1-3月期決算を見極めたいとの思惑や、米民主党が提案する国民皆保険制度を巡って医療関連銘柄が下落しており、終日揉み合う展開となった。
地区連銀経済報告(ベージュブック)では、一部地域での経済成長が確認されたが、相場への影響は限定的だった。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比5円安の22265円になり、本日の東京市場は朝方は小動きでのスタートを切った。
その後は、明日以降に休場を控えた海外勢によるフローも限られるなか、前日までの日経平均5営業日続伸を受けた利益確定の動きが優勢となった。
前引けにかけては、5日移動平均線の位置する22100円台半ばまで下押しする場面もみられた。
セクターでは、医薬品、精密機器、パルプ・紙、水産・農林業、金属製品がさえない一方で、鉱業や輸送用機器は1%を超える上昇。
売買代金上位銘柄では、楽天 (T:4755)が連日で年初来高値を更新し、外資系証券による投資評価引き上げ観測の伝わったデンソー (T:6902)のほか、ファーストリテ (T:9983)、トヨタ自動車 (T:7203)、三菱UFJ (T:8306)などのメガバンク、キーエンス (T:6861)、東京エレクトロン (T:8035)、村田製作所 (T:6981)、ファナック (T:6954)、安川電機 (T:6506)、が上昇。
一方で、ソフトバンクG (T:9984)、任天堂 (T:7974)、武田薬 (T:4502)、ソニー (T:6758)、かんぽ生命保険 (T:7181)は軟調。
米中貿易協議について、両国が協定交渉の着地点を探るなか、新たな会合の仮日程が設定され、交渉団は5月下旬もしくは6月上旬に署名式にこぎ着けたい考えを明らかにしたことが伝わっている。
市場では、4月中の交渉決着を意識したリスクオンムードが広がりつつあっただけに、交渉先延ばしを受けていったんは失望する向きも出やすいだろう。
しかし、日本の10連休や前述のイースター(復活祭)の海外市場における連休を前に波乱要因が1つ減るといった安心感にも繋がりやすく、前日に明らかになった中国1-3月期GDPの持ち直しも相まって、底堅さも同時に意識されるところである。
物色動向としては、足元で外資系証券によるショートポジションが積み上がっていた安川電機などに対する買い戻しの動きに伴う上昇基調は確認されており、新興市場でも前日に開発中の再生細胞薬「SB623」の臨床試験の効果を発表したサンバイオ (T:4592)への市場反応も同様の動きを彷彿とさせる。
前述のカレンダー事情もあり、相場全体としては4月中に積極的に上値を追う動きは目先は見込みにくいものの、ショートカバーを意識した商いなどは引き続き活発となろう。
(雲宮 祥士)