米中の貿易戦争のさらなる激化を懸念して、月曜日の株式市場は大きく下落した。
ダウ平均は0.99%安、 S&P 500は0.66%安、ナスダック総合指数 は1.63%安となった。ダウ平均は一時500ドル以上下落していたが、市場終了直前に上昇し、最終的に245ドル安に留まった。
ブルームバーグによると、予定されているトランプ大統領と習近平主席の会談が成功しない場合、米国はもっと多くの中国製品に関税を追加する予定だという。米国は2500億ドル相当の中国製品に対する関税を課しており、これは中国から米国への輸入額の約半分を占めている。中国は、1,100億ドル相当のアメリカ製品に関税を課して報復している。
このニュースにより市場はリスクオンに転じ、一時大きく上昇していた株式市場は、貿易に敏感な銘柄とテクノロジー株の下落につられて大きく値を下げた。
貿易問題に敏感なボーイング(NYSE:BA) の株式は6%安、キャタピラー(NYSE:CAT) はほぼ1%安となった。インドネシアでボーイング737機が海上に墜落し、189人が死亡したというニュースでもボーイングは下押し圧力を受けた。
アルファベット(NASDAQ: GOOGL)やマイクロソフト(NASDAQ: MSFT)、アマゾン(NASDAQ: AMZN)、アップル(NASDAQ: AAPL)の下落に引っ張られ、テクノロジー株全体が値を下げた。
S&P 500情報技術セクターのインデックスは約2%安となった。
また、11月4日にイランへの制裁を控え、世界的なエネルギー需要の減少懸念や、サウジアラビアやロシアからの増産継続によって原油価格が下落したため、エネルギーセクターは再び下落した。
一方、金融セクターは米国債利回りの上昇により銀行株が上昇したため、約1%上昇した。ウェルズ・ファーゴ(NYSE: WFC)は2%近く上昇し、JPモルガン・チェース(NYSE: JPM)とゴールドマン・サックス(NYSE: GS)は1%上昇した。
直近の大幅安は下げすぎだとのアナリストの分析もあって米国株式市場はいったん反発したが、最終的には下落となった。ゴールドマンの主席株式ストラテジストのDavid Kostin氏は「すぐに成長が減速するほど急激なものではないにも拘わらず大幅安となっている。経済と企業収益の成長は続くと予想されており、これがS&P500の反発を支えるだろう」と述べた。
企業ニュースでは、IBM(NYSE: IBM)が日曜日にソフトウェアメーカーのRed Hat(NYSE: RHT)を約340億ドル(金曜日の終値を63%上回る1株190ドル)で買収すると発表したが、4%安となっている。IBMは配当を増やし続けると述べたが、2020年と2021年には自社株買いを停止する。
Wedbushによれば「デジタル関連技術を使ったITサービス部門を拡大する予定のIBMのM&Aは、引き続き収益とフリーキャッシュフローに悪影響を及ぼすだろう」とされている。