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MSOL Research Memo(5):既存事業の拡大、既存事業の多角化と海外展開&ソフトウェアが成長戦略の柱

発行済 2018-11-13 15:34
更新済 2018-11-13 15:40
MSOL Research Memo(5):既存事業の拡大、既存事業の多角化と海外展開&ソフトウェアが成長戦略の柱
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■中長期の成長戦略

1. 中長期の成長戦略概要
マネジメントソリューションズ (T:7033)は現時点では中期経営計画を公表していないが、今から約1年後の2019年10月期の決算発表に際して中期経営計画を発表する予定で準備を進めている。
2005年に設立された同社は2025年に創立20周年を迎える。
そのため、20周年時点での目指すべき同社の企業像を示し、そこに至る5年間の道程の詳細を示したものになると推測される。
いずれにしても詳細は同社の発表を待つ必要がある。


以上のような事情から公式に発表された中長期の業績計画はないものの、長期的な持続的成長に向けたアウトラインについてはしっかりとイメージできている。
創業から2018年7月のIPOまではPMO支援事業を中核に据え、専門事業者としてのブランド確立や、一部上場企業や大企業を中心とした顧客基盤の拡大に注力してきた。
IPOは同社の経営基盤が固まったことの象徴であると同時に、成長の第2ステージの出発点という位置付けで、今後は既存事業の拡大・多角化と、海外展開及びソフトウェア事業の本格展開に挑み、それらを成長のエンジンとする方針だ。


既存事業の拡大とはPMO支援事業の業容拡大が中核の戦略となる。
この点は同社の強み・特長で述べたところと重なる。
PMO専門事業者という独自のポジションニングは、それ自体が高い成長ポテンシャルを内包しているということだ。


一方、既存事業の多角化では、『マネジメントコンサルティング(前工程)⇒PMO実行支援(後工程)』というなかで、事業領域を前工程部分であるマネジメントコンサルティングの領域への進出を目指している(広義の用語法と区別し、“顧客企業への事業戦略等の提案”という意味を明確化するために、しばしば“マネジメントコンサルティング”という用語も使用される)。
また同社の中核事業であるPMO支援については、高効率の事業モデルとして「シェアードPMO事業」の立ち上げを目指している。
さらに、こうした目的実現のためには、上場企業としての信用度と資金調達力を生かしてM&Aの活用も積極的に検討していく方針だ。


海外展開とソフトウェア事業の強化については、沿革の項で触れたように、既に着手してきている。
詳細は後述するが、海外事業についてはMSOL台湾が順調な成長を示し、本格的な海外展開の道筋を付けつつある。
ソフトウェア事業についても製品開発を計画どおり終了しつつあり、今後は販売の本格化に取り組むというステージにある。


現時点の同社の具体的な取り組み状況は以下のとおりだ。



成長シナリオのベースとなる人材の採用を積極的に推進。
早期の年100人採用体制実現を目指す
2. 人材の確保
事業の概要の項で述べたように、同社のPMOプロフェッショナルは自らがアサインされたPMO実行支援に専念することになる。
したがって新規顧客を獲得して収益を拡大するためには、そうした新規案件を取り込むだけの人材の確保が必要となる。
これは成長戦略一角を形成する“既存事業の多角化”でも同じことだ。


同社は2018年10月期において約50人の採用を行った(退職者もいるため純増数は異なる)。
同社の採用は即戦力となる業務経験者の中途採用が中心となっている。
同社は需要の増大に対応させるため、人材獲得ペースを今後さらに加速していく方針で、2019年10月期には70人の採用、その翌年には100人の採用といったペースを現状では想定している。
同社の既存事業の拡大及び多角化が計画どおり進捗すればその後も100人規模の採用が継続する可能性がある。


経験者の中途採用においては人材紹介会社を介することが基本となっているため、人材採用費用(紹介料の支払い等)が大きな費用負担となっている。
現在は新卒者の採用は限定的だが、徐々に新卒者の採用も増やしていく方針だ。
新卒者は紹介料などの採用費用が掛からないため、営業利益率の改善に貢献することが期待される(ただし研修などの育成費がかかる点には注意を要する)。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

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