日経平均は反落。
109.51円安の20555.13円(出来高概算5億7000万株)で前場の取引を終えている。
29日の米株式市場でNYダウは51ドル高と反発。
ナスダック総合指数は続落するなど高安まちまちだったが、工業製品・事務用品大手スリーエムなど決算が市場予想を上回った銘柄を中心に買われた。
また、通常取引終了後に発表されたアップルの10-12月期決算も減収減益ながら1株当たり利益は市場予想をわずかに上回り、時間外取引で同社株価は上昇。
東京市場でもアップル関連とされる電子部品、半導体株を中心に買いが入り、日経平均は36円高からスタートした。
ただ、マザーズ市場で時価総額トップのサンバイオ (T:4592)がストップ安水準まで気配値を切り下げ、個人投資家のマインドが悪化。
日経平均は寄り付き直後を高値にマイナスへ転じると、20527.53円(137.11円安)まで下落する場面があった。
東証1部の値下がり銘柄は全体の6割強となっている。
個別では、任天堂 (T:7974)、ソフトバンクG (T:9984)、武田薬 (T:4502)、ファーストリテ (T:9983)、トヨタ自 (T:7203)などが軟調。
ソフトバンク (T:9434)やオリックス (T:8591)は2%超下落した。
業績予想を下方修正したアルプスアル (T:6770)は4%近い下落。
事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)の利用を申請したと報じられた曙ブレーキ (T:7238)は急落し、東証1部下落率トップとなった。
また、サンバイオと再生細胞医薬品を共同開発する大日住薬 (T:4506)はストップ安水準まで売られた。
一方、村田製 (T:6981)、SUMCO (T:3436)、太陽誘電 (T:6976)といった電子部品、半導体株は堅調。
アップルの決算を受けて業績への懸念が和らいだようだ。
決算発表銘柄では信越化 (T:4063)が買い先行となり、オービック (T:4684)は7%高と急伸した。
また、アイネス (T:9742)などが東証1部上昇率上位に顔を出した。
セクターでは、証券、その他金融業、電気・ガス業などが下落率上位。
反面、鉄鋼、石油・石炭製品、卸売業などが上昇率上位だった。
NY原油先物相場の大幅反発を受けて関連銘柄が買われた。
日経平均は日中値幅こそさほど小さくないが、日足チャートで見ると1月半ばから20400-20900円レンジでのもみ合いが続いている。
下値は堅いものの、積極的に上値を追う動きも乏しい。
まだ10-12月期の決算発表は始まったばかりだが、本日も信越化、アルプスアルの値動きに見られるように、決算内容は各社で強弱が分かれている。
月末に決算発表の第1弾のピークを控え、売りにも買いにも傾きづらい状況だろう。
一方、新興市場では「サンバイオショック」が広がり、マザーズ指数が7%を超える下落となっている。
バイオ株を中心に幅広い銘柄が売られ、マザーズ銘柄は9割近くが下落。
サンバイオなどのバイオ株は昨年末からのマザーズ指数の戻りをけん引してきただけに、個人投資家のマインドや需給悪化は避けられないだろう。
まずは落ち着きを取り戻すのを待ちたいところだ。
(小林大純)