日経平均は反落。
137.17円安の20736.89円(出来高概算約6億2562万株)で前場の取引を終えた。
前日の米国市場では、トランプ大統領による一般教書演説は概ね想定通りで目新しさに乏しく、売りが先行したものの、ムニューシン米財務長官らが来週に米中通商協議を再開することが伝わり、対中貿易摩擦問題の解決を期待する見方から下値も限られた。
なお、シカゴ日経225先物清算値は大阪比10円安の20860円になり、日経平均はシカゴ日経225先物清算値を下回る水準で寄り付いた。
前日に市場予想を上回る第3四半期決算と自社株買いを発表したソフトバンクG (T:9984)が2ケタを超える上昇になったものの、相場全体のセンチメント好転には至らず、前場の日経平均はマイナス圏での推移が続いた。
寄り付きから上げ幅を拡大したソフトバンクGは前引け時点で17%高になり、1銘柄で日経平均約161円分の下支え要因となった。
しかし、値下がり率寄与トップは、ファーストリテ (T:9983)となり、テルモ (T:4543)やダイキン (T:6367)などもそれに続いたうえ、日経平均採用銘柄のうち値下がり銘柄数が200銘柄となったことから、ソフトバンクGの指数上昇分を打ち消す格好になっている。
前日の米国市場では、CEOがサイクルの底に言及したことが伝わったマイクロチップ・テクノロジーが大幅上昇をみせ、米半導体SOX指数が6営業日続伸となった流れから、東京市場でも東京エレクトロン (T:8035)やスクリン (T:7735)などといったソフトバンクG以外にも半導体関連銘柄が堅調な動きをみせている。
一方で、月次売上の弱さや日銀による225ETF(上場投資信託)のウェイト縮小の見方も完全には払拭されていないファーストリテなどといった銘柄の弱い動きが目立つなか、日経平均の21000円を前にした上値は依然として重い印象である。
この節目の水準を前にした海外短期筋による先物売りも観測されており、本日は一段と手がけ辛さが意識されているようだ。
足元の企業決算では、前日のトヨタ自動車 (T:7203)のように下方修正をした銘柄に対するアク抜けの市場反応も出にくくなっているほか、日本企業の業績に対する警戒感は改めて根強いとの見方が先行している。
トランプ大統領による一般教書演説といったイベントを通過したものの、動意に乏しい相場展開が続いており、目先の物色対象としても好業績を発表した企業など一部の銘柄に限られよう。
(雲宮 祥士)