日経平均は4日ぶり反落。
28.80円安の21402.69円(出来高概算6億134万株)で前場の取引を終えた。
前日の米国株式相場では、NYダウが63ドル高となったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録発表後に一時下落に転じるなど不安定な値動きを見せる場面があった。
シカゴ日経225先物清算値は大阪比15円安の21405円となり、円相場は1ドル110円70銭台と前日から小幅に円高方向に振れていた。
これを受けて、本日の東京市場は利益確定売りが先行する流れとなった。
寄り付き直後に日経平均がプラスに転じる場面もあったものの、上値は重く、短期筋による先物売りも観測されたことから、その後はマイナス圏での推移が続いた。
なお、前場中ごろから開始されたアジア市場は比較的底堅さを意識させる動きとなったことから、前引けにかけて日経平均も下げ幅をやや縮小した。
セクターでは、石油・石炭製品、金属製品が1%を超える下落となった一方で、パルプ紙、倉庫・運輸関連業、海運業などはプラス圏での動きに。
売買代金上位では、ソフトバンクG (T:9984)、トヨタ自動車 (T:7203)、武田薬品工業 (T:4502)、SUMCO (T:3436)、みずほ (T:8411)、太陽誘電 (T:6976)、資生堂 (T:4911)が軟調。
一方で、ZOZO (T:3092)が5%高となったほか、任天堂 (T:7974)、ソニー (T:6758)、ファーストリテ (T:9983)、JT (T:2914)、コマツ (T:6301)は堅調。
10月2日に日経平均が高値24448.07円をつけた後から本日2月21日に至るまでの価格帯別売買高で商いの集中しているレンジは21500-22000円となっており、この水準を前にした戻り売り圧力は非常に強いものとなっている。
前日の米国市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)がFOMC議事要旨(1月29-30日開催分)で、量的緩和によって膨らんだバランスシート縮小の年内終了について連銀当局者の意見が概ね一致したが、今後の利上げ方針については意見が分かれた。
これを受けて、発表後に米主要株価指数は一時下落する場面もみられ、本日の東京市場の利益確定売りを誘発する一因となった。
また、米中貿易協議の進展が想定よりも確認できていないなか、本日はドイツやユーロ圏、そして米国における各種(製造業・サービス・総合)PMI数値の発表を控えている。
貿易摩擦による欧米諸国への影響を見極めたいとのムードは根強いことから、東京市場でも積極的にリスクを選好して上値を追う動きは限られているようだ。
他方、マザーズ市場は、堅調な動きをみせている。
一部メディアにて、遺伝子治療薬「コラテジェン」が厚生労働省の専門家会議で薬事承認の手続きに基づき承認するとの報道のあったアンジェス (T:4563)への関心の高まりと同時に、前日に内分泌疾患治療対象の新規低分子HTL0030310で第1相臨床試験開始を発表したそーせい (T:4565)や本日寄り前に中国で疼痛緩和口腔用液「エピシル」の医療機器輸入販売承認を取得したことを明らかにしたソレイジア (T:4597)などのバイオ関連に対する物色が向かっていることが背景だ。
これらを踏まえ、日経平均が21500円を前に上値の重い一方で、個人投資家をはじめとした短期資金は後場にかけてもマザーズ市場をはじめとした中小型株へと一段と向かいやすくなる可能性がある。
(雲宮 祥士)