2月25日のダウ平均株価は上昇したが、終値は取引時間の高値を大きく下回った。米中貿易協議での進展により、トランプ大統領は中国製品への追加関税を先送りしたことで、米国株は取引開始当初買いが優勢となった。
ダウ平均株価は日中最高値の209ポイント高をマークし、終値は前日比0.23%高の60ポイント高となった。S&P500指数は0.09%高、ナスダック総合指数は0.36%高となった。
トランプ大統領は、米中両国は貿易協定の合意に「かなり近づいている」と発言した。米中貿易協議が「有意義」であったとし、交渉期限の延期を決定した後に今回の発言がなされた。
米中間の緊張が緩和していったことで、外需株のボーイング(Boeing) (NYSE:BA)やキャタピラー( Caterpillar ) (NYSE:CAT)への買いが入った。
しかし、中国の技術移転や知的財産の侵害などの問題に対して何らかのコミットメントがなければ、現行の中国製品への10%の輸入関税は「実行過程」として継続されるとみられる。
ゴールドマン・サックスは「貿易協議の結果によっては一部の関税がより早くに撤廃される可能性があるが、中国側が何らかのコミットメントをするまでは、昨年発動された関税は実行過程として継続されると予想している」との見方を示した。
ゼネラル・エレクトリック( General Electric ) (NYSE:GE)はバイオ医薬事業を214億ドルでダナハー(Danaher Corp) (NYSE:DHR)に売却するとの発表を行い、米資本財セクター株も押し上げられた。しかし一部関係者は、同売却は同社の主要問題である、電力事業の課題解決にはあまり繋がらないと発言している。
トランプ大統領がOPECに対して「リラックス」するようにと原油高を非難したことで、原油安となり、エネルギー株は売られた。
中国の影響を大きく受ける半導体株は、米中貿易協議の好感を受けて前日比0.8%高となった。2月のフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は8%以上の上昇となっており、年初来では19.1%高となっている。
決算関連のニュースでは、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway) (NYSE:BRKa)が第4四半期決算で、250億ドルの純損失を計上した。クラフト・ハインツ(Kraft Heinz) (NASDAQ:KHC)やアップル(Apple) (NASDAQ:AAPL)株の低迷によるものであった。
23日の決算発表において、バフェット氏は昨年度に保有資産の「クラフト・ハインツを筆頭に」30億ドルの減損処理があったと説明した。
25日のS&P500指数 上昇/下落銘柄:
ダナハー(Danaher) (NYSE:DHR)、ゼネラル・エレクトリック(General Electric) (NYSE:GE)、ウエスタン・デジタル( Western Digital )(NASDAQ:WDC)の上昇幅は大きかった。
一方、下落幅が大きかった銘柄は、H&R ブロック(H&R Block) (NYSE:HRB)、トリップアドバイザー(TripAdvisor) (NASDAQ:TRIP)、DISHネットワーク( DISH Network )(NASDAQ:DISH)であった。