日経平均は大幅続伸となった。
396.52円高の21521.61円(出来高概算5億7572万株)で前場の取引を終えた。
前日の米国株式相場では、1月小売売上高が市場予想を上振れたほか、パウエルFRB議長がメディアのインタビューで現在の政策金利が適切であるとの認識を示したことから堅調な展開となった。
円相場は1ドル111円30-40銭台と前日から円安方向に振れるなか、本日の東京市場ではシカゴ日経225先物清算値である21140円(大阪比210円高)から、170円程度と観測されている配当落ち分を考慮した水準を上回るレベルでのスタートとなった。
その後も、海外新資金の流入観測などの広がる中国株をはじめとしたアジア市場も強い動きをみせた流れから、短期筋による225先物に対する断続的な買いも観測され、日経平均は前引けにかけてじりじりと上げ幅を拡大した。
東証1部の値上がり銘柄数は1900銘柄を超えており、全体の約90%に達している。
セクターでは、東証33業種全てが上昇。
なかでも、電気機器のほか、証券・商品先物取引業、不動産業、機械などが2%を超える上げとなった。
売買代金上位では、スマホゲーム「ラグナロクM」が海外展開で先行しつつあるとの報道が伝わったガンホー (T:3765)が10%を超える上昇となった。
また、昨日に引き続き事業・業界再編に伴う期待感の先行する日立 (T:6501)や日立化成 (T:4217)、3月15日の引け値でインデックスファンドの買い需要が発生するオムロン (T:6645)も堅調。
そのほか、任天堂 (T:7974)、ファーストリテ (T:9983)、ソニー (T:6758)、SMC (T:6273)、村田製作所 (T:6981)、日本電産 (T:6594)、TDK (T:6762)、サイバーエージェント (T:4751)などが上昇。
米アップルが、独自ビデオサービスや新しいプレミアム雑誌購読プランのイベントを25日に開催すると発表したほか、内閣府・財務省が朝方に発表した法人企業景気予測調査に対する市場反応も限定的となった流れから、足元で戻り基調にある電子部品関連をはじめとした景気敏感株が堅調な動きを見せている点はひとまずポジティブに捉えられている。
また、期末に向けた配当落ちに伴う再投資の資金流入に関しては、6・7000億円レベルの過去最大の買い需要が発生するとの一部試算も伝わっており、こちらも需給面での下支え要因として意識する向きも次第に増えてこよう。
一方で、今晩に控える英国議会ではメイ首相が提出する欧州連合(EU)離脱合意案が採決される予定であり、12日の採決で修正案が否決された場合、リスク回避的な取引が急速に拡大し、米ドル買い・欧州通貨売りや欧州通貨売り・円買いの動きが強まる可能性がある。
市場では、これに対する警戒感は一定程度意識されているものの、まずは堅調に推移するアジア市場や前述の流れを受けた東京市場は後場にかけても出遅れた銘柄の物色や中小型株に対する短期的な値幅取り狙いの動きも出やすくなろう。