米中貿易戦争を受け値下がりした週初めから一転、アジア市場は上げ相場となっている。
日本時間午後4時54分までに、上海総合指数と深セン総合指数がそれぞれ1.91%、2.44%高となっている。香港のハンセン株価指数は0.52%高。
中国の4月工業生産高は5.4%上昇で伸び率は鈍化している。なお事前予想では6.5%上昇すると見られていた。
一方、中国の1-4月期固定資産投資は前年同時期比6.1%上昇したものの、予想を下回る結果となった。
中国の投資全体のうち60%ほどを占める民間部門の固定資産投資は、前年同時期比5.5%増。
中国の4月小売売上高は前年同月比7.2%増で、8.6%増とされていた予想値を下回った。
アップル(NASDAQ:AAPL)のサプライヤーであるフォックスコン(TW:2317)の1-3月期純利益は198.2億台湾ドル(6億3726万ドル)で、前年同時期比から17.7%減。
経営再建中であるジャパンディスプレイ(T:6740)が台湾・中国企業連合から資本提供を受け、1000人規模の人員削減を検討していることを日経産業新聞が報じた。これを受け、同株は3%以上上昇した。
日経平均は0.1%の小幅安となった。日産自動車(T:7201)の予期せぬ営業利益や配当の減額を受け、同株は安値を付けている。
米国による追加関税に対する報復として、中国が6月1日に600億ドル相当の米国製品に対し現行の10%から25%へと関税を引き上げると発表し、事態はますます緊迫している。
ところが、市場心理はいくらか回復している。トランプ大統領は、貿易合意の可否は「3-4週間くらいで」明らかになるだろうと述べた。「ご存じなかったと思うが、私としてはかなりうまくやっているんだ」
同大統領は中国が次の一手として利下げを行うと見ている。貿易戦争に勝利すべく、FRBに対し同じく利下げを要請した。
トランプ大統領は、「中国は大量の資金を注入し例のごとく金利を下げるだろうが、失敗に終わるだろう。もしFRBが対抗措置を取れば、勝つのは我々だ!何にせよ、中国は我が国との合意を欲しているのだから!」とツイートした。