16日の夜、米国東部・南部において鉄道貨物輸送を行うCSX(NASDAQ:CS)に関して、米中貿易摩擦の影響を含む経済展望の不透明性が同社事業に悪影響を与えていることが分かった。
17日、CSX(NASDAQ:CSX)株は10%安を超える下落を見せ、他の鉄道株も同様に下落した。ノーフォーク・サザン鉄道(NYSE:NSC)は7.5%安、ユニオン・パシフィック鉄道(NYSE:UNP)は6.5%安となった。これによりダウ・ジョーンズ輸送株平均は3.6%安となり、その影響は市場全体へも波及した。
S&P 500は0.65%安、ダウ平均株価は0.4%安、ナスダック総合指数は0.46%安となった。またナスダック100指数は0.48%で、CSX(NASDAQ:CSX)株が今のところ最大の下落を見せている。
フェデックス(NYSE:FDX)、ユナイテッド・パーセル・サービス(NYSE:UPS)、ランドスター・システム(NASDAQ:LSTR)等も同様に下落している。CSXのジム・フットCEOが16日のカンファレンスコールにおいて、米国における輸送トラック増加によりトラック・鉄道問わず運送料に下方圧力がかかっていると述べたことを受け、トラックメーカーのパッカー(NASDAQ:PCAR)株も下落している。
17日には株式だけでなく、原油も再び下落した。WTI原油先物は1.5%安の1バレル56.78ドルとなった。しかし金先物は、IMFによる米ドルが過剰評価されているという主張を受け、12.10ドル上昇し、1オンス1,423.30ドルとなった。米ドルインデックス先物は0.2%下落した。
資本財、エネルギー、化学、不動産株は下落。一方、テクノロジー、ヘルスケア、公益事業は上昇した。
エクソン・モービル(NYSE:XOM)、シェブロン(NYSE:CVX)、シュルンベルジェ(NYSE:SLB)、ハリバートン(NYSE:HAL)等の銘柄は原油価格低下による悪影響を受けた。ノードストローム(NYSE:JWN)、メイシーズ(NYSE:M)、コールズ (NYSE:KSS)等も全て下落した。
上昇したテクノロジー株の中では、エヌビディア(NASDAQ:NVDA)、マイクロン・テクノロジ(NASDAQ:MU)、インテル(NASDAQ:INTC)等が好調であった。
しかしテクノロジー株で最大規模であるマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)、アマゾン(NASDAQ:AMZN)、アップル(NASDAQ:AAPL)、グーグルの持株会社のアルファベット(NASDAQ:GOOGL)、シスコシステムズ(NASDAQ:CSCO)等は全て下落した。
18日の市場引け後に、マイクロソフトが第4四半期決算を発表する。
7月30・31日のFOMCにおいて、FRBによるフェデラルファンドレートの0.25%削減が市場により引き続き期待されていることから、国債利回りは低下している。米国10年債の利回りは16日の2.12%から、2.059%へ低下している。
S&P 500:勝者と敗者
企業ユニフォームメーカーのシンタス(NASDAQ:CTAS)、砂糖菓子メーカーのザ・ハーシー・カンパニー(NYSE:HSY)、製薬会社のアボット・ラボラトリーズ(NYSE:ABT)等が、S&P 500の中でも際立って良いパフォーマンスを上げていた。
CSX (NASDAQ:CSX)、テキストロン(NYSE:TXT)、ノーフォーク・サザン鉄道 (NYSE:NSC)等はS&P500の中でも最低のパフォーマンスを見せた銘柄となっている。