前日の米国市場は主要3指数揃って上昇した。トランプ大統領と議会指導部が2年間の債務上限の適用延期と歳出枠に関して合意したことに加え、米中貿易協議が上海で来週開催されることになったことを好感した。ただし、合意が間近ということではないと報道されている。また、昨日発表された中古住宅販売戸数は先月より減少し、住宅メーカーの株価は下落している。
米10年債利回りは2.079%と上昇し、ドル/円は108.20円となっている。上海総合指数は1.12%高、ドル/人民元は0.05%高だ。
日経平均株価は午前11時40分時点で2万1727円と続伸している。先週木曜の安値からは750円近く上昇している。2万1700円台は日足の抵抗帯になっており、本日これを上抜くには材料不足に見える。本日はフェイスブック (NASDAQ:FB)、キャタピラー (NYSE:CAT)、ボーイング (NYSE:BA)、フォード・モーター (NYSE:F)などの決算も予定されており、明日はアマゾン・ドット・コム (NASDAQ:AMZN)、アルファベット (NASDAQ:GOOG)もある。再び最高値に近づいている米国市場の動向も見定めたいとの思惑も働くだろう。何度か報道されていたとはいえ、米国司法省がGAFAを反トラスト法(独占禁止法)に違反していないか調査を開始すると報じられており、その影響も気がかりだ。
明日にはECB理事会も予定されており、どの程度の緩和策を今後想定しているのかに注目が集まっている。
IMFは世界経済見通しで成長率を今年度を3.2%、来年度を3.5%とし、それぞれ0.1%引き下げた。リスク要因として米中貿易関税、米国による自動車の関税、合意なきブレグジットなどを挙げている。