前日の米国市場は主要3指数揃って大きく下落した。中国経済指標が大きく悪化し、ドイツの4-6月期GDPがマイナスになったことで、世界経済減速懸念が高まったことが大きいだろう。これを受け、米10年債と2年債利回りの逆転が起き、売りが一気に加速した。言うまでもなく利回り曲線の逆転は景気後退のシグナルとして認識されている。他の長短金利の逆転は何度かあったが、重要視される2年と10年の逆転は12年ぶりとなった。
午前11時時点での10年債利回りは1.576%、2年債は1.579%となっている。ドル/円は底堅く105.97円と106円前後で踏みとどまっている。
上海総合指数は1.02%安、韓国総合株価指数は休場、ドル/オフショア人民元は0.04%安、ドル/ウォンは0.11%高となっている。
日経平均株価は1.46%安の2万352円と大幅下落。昨日のダウ平均株価が800ドルの下落であったことから、寄り付き前には節目の2万円に近づく場面もあるとの懸念もあったが、前場は下値の堅さが意識される展開となっている。株式の大幅下落の割に円高が進んでいないことも大きな理由だろう。また昨夜の米国株式市場はさすがにオーバーシュート気味であり、今夜は買い戻しが入るとの思惑も働いているだろう。ただし、本日は注目の米小売売上高の発表が予定されており、ニューヨーク連銀製造業PMI、フィラデルフィア連銀製造業PMIもあるため、結果次第では一波乱ある可能性もある。
後場の日経平均は悪材料が出なければ前場の流れを受け継ぎ、底堅さは維持するだろう。さすがに上値は昨日高値と本日安値の半値戻しの2万430円あたりと想像するが、ボラティリティが高い状況でもあるので、思わぬ高値や安値がないとはいえないため注意が必要だ。