前日の米国株式市場は主要3指数揃って大きく上昇した。中国商務省が米中の緊張緩和に前向きなコメントを発表したことで、貿易戦争激化懸念が後退したことが材料となった。ダウ平均は326ドル高と大幅に上昇している。また昨日発表された米GDP改定値は事前予想通りの2.0%となった。
米10年債利回りは午前10時38分時点で1.513%と上昇している。2年債利回りは1.538%で逆イールドは解消していないが、利回り差は縮小した。
上海総合指数は0.72%高、香港ハンセン指数は0.81%高、韓国総合株価指数は1.56%高と午前のアジア株式市場も大きく上昇している。ドル/オフショア人民元は0.13%高、ドル/ウォンは0.20%高となっている。ドル/ウォンは1208あたりまで下落したが、日足の上昇トレンドラインで反発している。上には下降トレンドラインもあるため三角持ち合いになっており、数日以内に上下どちらかに大きく動く可能性がある。
日経平均株価は2万663円と上昇している。8月上旬から続くレンジ相場の上限付近にあり、上抜けできるかが注目される。5日と25日移動平均線を超えてきており、抜ける可能性もないわけではないが、25日移動平均線はいまだ下向きであり、5日移動平均線は25日移動平均線の下にありまだ横ばいだ。上抜けには時期尚早のように見える。ただし、米中貿易協議の進展があれば状況が大きく変わることから注意が必要だ。先週末から今週初めの二転三転ぶりを鑑みると閣僚級米中貿易協議を実施するため直近に決めた関税引き上げの延期等サプライズニュースがあっても不思議ではない。米中貿易協議が簡単に合意するとは考えにくいが、もう少し沈静化させるぐらいなら妥協できる可能性がある。9月1日の第4弾の関税実施を前に、米中両国政府の動きに注目が集まる。
本日の経済指標では、ユーロ圏消費者物価指数、米PCEコアデフレーター、米シカゴ購買部協会景気指数、米ミシガン大学消費者信頼感が注目される。