[ニューヨーク 3日 ロイター] - 米国株式市場は下落して取引を終えた。米供給管理協会(ISM)が公表した8月の製造業景気指数が2016年8月以来初めて景気拡大・縮小の節目となる50を割り込んだほか、米中が週末に互いに追加関税を課したことを受け、世界の経済成長見通しに対する懸念が高まった。
米製造業活動の縮小を示す指標に加え、新たな関税の発動、次回の米中通商協議の具体的な日程が明らかになっていないことを背景にリスク資産を手放す動きが加速する展開となった。
FTSEラッセルのグローバルマーケッツリサーチ・ディレクターのアレック・ヤング氏は「製造業指標は新たな関税が最悪のタイミングで発動されたことを示唆した。悪いニュースに悪いニュースが重なった格好だ」とし、「米中通商合意への期待が後退しているのはもちろんのこと、両国は協議の日程でさえ合意できずにいる」と指摘した。
貿易関連銘柄の下げがきつく、工業株 (SPLRCI)は1.4%安、情報技術株 (SPLRCT)は1.3%安。中国で売上高の大半を稼ぎ出す半導体銘柄が売られ、フィラデルフィア半導体 (SOX)は1.8%下落した。
カジノ株も軒並み安。中国経済の減速を背景に、8月のマカオのカジノ収入が減少したことが圧迫材料となった。 ラスベガス・サンズ (N:LVS)、ウィン・リゾーツ (O:WYNN)、MGMリゾーツ・インターナショナル (N:MGM)は2─4%下落した。
個別銘柄ではボーイング (N:BA)が2.7%下落し、ダウ平均を圧迫。 米連邦航空局(FAA)は前週末、世界の専門家による737MAX機の認証手続き完了にさらに数週間の時間が必要との見通しを示したことが嫌気された。
一方、ディフェンシブ銘柄は高い。公益株 (SPLRCU)は1.8%、不動産株<.SPLRCR>は1.3%。主要消費財株 (SPLRCS)は0.5%それぞれ上昇した。
前出のヤング氏は、英国の欧州連合(EU)離脱を巡り不透明性が高まっていることも市場心理を圧迫していると述べた。英議会では「合意なき」離脱を巡る攻防が激化。ジョンソン首相は議会が合意なき離脱を阻止すれば、総選挙に踏み切るとけん制。一方、反対派は合意なき離脱阻止に向け、10月末のEU離脱期日を延期する法案の可決を目指す。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.61対1の比率で上回った。ナスダックは2.50対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は67億2000万株。直近20営業日の平均は69万9000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 26118.02 -285.26 -1.08 26198.2 26198.2 25978. (DJI)
6 6 22
前営業日終値 26403.28
ナスダック総合 7874.16 -88.72 -1.11 7906.44 7940.37 7847.3 (IXIC)
2
前営業日終値 7962.88
S&P総合500種 2906.27 -20.19 -0.69 2909.01 2914.39 2891.8 (SPX)
5
前営業日終値 2926.46
ダウ輸送株20種 9991.52 -135.46 -1.34 (DJT)
ダウ公共株15種 860.85 +15.33 +1.81 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1478.32 -26.60 -1.77 (SOX)
VIX指数 19.59 +0.61 +3.21 (VIX)
S&P一般消費財 936.98 -3.49 -0.37 (SPLRCD)
S&P素材 351.16 -3.12 -0.88 (SPLRCM)
S&P工業 627.22 -9.02 -1.42 (SPLRCI)
S&P主要消費財 624.42 +3.15 +0.51 (SPLRCS)
S&P金融 440.72 -4.93 -1.11 (SPSY)
S&P不動産 245.61 +3.17 +1.31 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 419.76 -2.33 -0.55 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1040.16 -6.58 -0.63 (SPXHC)
S&P通信サービス 164.87 -1.71 -1.03 (SPLRCL)
S&P情報技術 1375.65 -17.60 -1.26 (SPLRCT)
S&P公益事業 321.51 +5.54 +1.75 (SPLRCU)
NYSE出来高 8.97億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物9月限 ドル建て 20595 - 65 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物9月限 円建て 20590 - 70 大阪比 <0#NIY:>