前日の米国株式市場は米中貿易協議で何らかの合意に至るという期待感の高まりから主要3指数揃って上昇した。ダウ平均は150.66ドル高で終了している。
トランプ大統領が金曜日に劉副首相とホワイトハウスで会うと述べ、初日の閣僚級貿易協議について「極めて順調だ」と述べたことで、米株価指数先物市場は上昇した。合意は部分合意になるとみられており、知的財産権侵害や技術移転の強制については含まれない可能性が高い。通貨協定も合意が検討されているとも伝えられており、中国側の農産物購入や15日からの関税引き上げの停止などの内容で合意すると思われる。
午前11時2分時点で米10年債利回りは1.666%へ上昇し、ドル/円は107.97円と円安にふれている。
上海総合指数は0.21%高、香港ハンセン指数は1.58%高、韓国総合株価指数は0.92%高とアジア株式市場は上昇している。ドル/オフショア人民元は0.12%安、ドル/ウォンは0.04%安となっている。
米中貿易協議進展への期待から日経平均株価は2万1750円と上昇している。日本は明日から3連休であることを考えると、後場の上値追いは慎重になり、様子見姿勢が強まるだろう。
本日はミシガン大学消費者信頼感指数が発表されるが、米中貿易協議の結果待ちであまり材料視されないだろう。
今週の日経平均は米中貿易協議で振り回された1週間であった。貿易協議が部分合意となれば内容にもよるが株価はこれを好感して上昇はするだろう。ただ、これが長続きするかは微妙だろう。安川電機が経常利益を45.8%も下方修正するなど米中関係悪化が業績に色濃く出ている。米国でも減益傾向が出ており、貿易協議が上首尾に終わっても今後株価に楽観的でいられるかは不透明だ。