前日の米国市場は主要3指数揃って小幅に下落した。米小売売上高が前月比で0.3%減少したことで、製造業の低迷が消費に影響を与え始めているとの懸念が高まり、株価の上値を抑えた。また、米中合意への署名に関し、11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)での首脳会議まではない可能性が高いことがトランプ大統領により示された。香港人権法案への中国の反発もあり米中関係への懸念が浮上していることも重しとなった。
個別の決算では注目されたバンク・オブ・アメリカ (NYSE:BAC)は市場予想を上回り1.48%上昇した。また契約者数が市場予想以上であったネットフリックス (NASDAQ:NFLX)も時間外で大きく上昇している。一方でIBM (NYSE:IBM)は売上が市場予想を下回り時間外取引で下落している。
今月末に迫ったブレグジットはEUと英国の合意が近いとされており、その合意案が英議会で承認されればマーケットは好感するだろう。合意への期待は株価を支えている。
午前10時42分時点で、米10年債利回りは1.734%と低下し、ドル/円は108.78円と円安にふれている。
上海総合指数は0.07%安、香港ハンセン指数は0.76%高、韓国総合株価指数は0.07%安とアジア市場は概ね小幅に下落している。ドル/オフショア人民元は0.04%高、ドル/ウォンは0.07%高。
日経平均株価は2万2507円と小幅に上昇している。2万2500円台に入ると上値は重くなり、前場は2万2500円をめぐる攻防が続いた。昨日までの4日間の上昇はすでに安値から高値まで1300円近くに達しており、さすがに上値が重くなってきている。25日騰落率も139.31とまたもや過熱している。 後場は引き続き次の材料待ちで高値圏での保ち合いが続くだろう。2万2400~2550円での推移が予想される。