[ニューヨーク 5日 ロイター] - 米国株式市場はS&P500が小幅安で取引を終えた。米中通商協議進展への期待から前日は主要3指数がいずれも最高値を更新したが、この日は買いが一服した。
米中通商協議を巡っては楽観的な見方が強まっているが、投資家の間では慎重な姿勢も見られ、ここ数日は割安株が成長株をアウトパフォームしている。ラッセル1000バリュー指数 (RLV)が過去3営業日で2%近く上昇したのに対し、ラッセル1000グロース指数 (RLG)は0.8%上昇にとどまっている。
関係筋によると、中国は米国との通商協議における「第1段階」の合意の一環として、9月に発動した対中関税を撤回するよう求めている。
インバーネス・カウンセルの最高投資責任者ティム・グリスキー氏は「株価は過去最高値水準にあり、投資家は通商協議を巡りやや神経質になっている」と指摘。「間違いなく割安株へのシフトが見られるが、むしろ金利上昇を受けた金融株へのシフトや商品価格上昇に伴うエネルギー株へのシフトだ。両セクターは大きく売り込まれてきたため、割安になっている」と語った。
金融株 (SPSY)は、米10年債利回りが6週間ぶり高水準を付けたことを受けて0.42%上昇。原油価格が1%超値上がりし、エネルギー株も買われた。一方、金利に敏感な不動産株<.SPLRCR>は1.76%安となった。
米中通商協議への期待感に加え、第3・四半期の企業決算がおおむね予想を上回っていることや、米連邦準備理事会(FRB)による前週の利下げ、堅調な経済指標もこのところ株価の下支え要因となっている。
米供給管理協会(ISM)が5日発表した10月の非製造業総合指数(NMI)は54.7と、市場予想を上回り、製造業の減速が他部門に波及しているとの懸念が和らいだ。
個別銘柄ではボーイング (N:BA)が2.05%高。同社のカルホーン会長は5日、墜落事故を起こした「737MAX」機の問題を巡り、取締役会はデニス・ミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)が「すべて適切に対応した」と確信していると述べた。
アドビ (O:ADBE)は2020年度通期の見通しなどを好感して4.25%上昇した。
一方、ウーバー・テクノロジーズ (N:UBER)は9.85%急落。前日発表した第3・四半期決算で赤字が拡大したことを嫌気した。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.13対1の比率で上回った。ナスダックでは1.10対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は78億9000万株。直近20営業日の平均は66億1000万株。
*内容を追加しました。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 27492.63 +30.52 +0.11 27500.2 27560. 27453. (DJI)
3 36 55
前営業日終値 27462.11
ナスダック総合 8434.68 +1.48 +0.02 8446.62 8457.3 8421.0 (IXIC)
9 5
前営業日終値 8433.20
S&P総合500種 3074.62 -3.65 -0.12 3080.80 3083.9 3072.1 (SPX)
5 5
前営業日終値 3078.27
ダウ輸送株20種 11050.03 +67.88 +0.62 (DJT)
ダウ公共株15種 848.26 -8.67 -1.01 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1730.15 +3.23 +0.19 (SOX)
VIX指数 13.08 +0.25 +1.95 (VIX)
S&P一般消費財 958.64 +1.38 +0.14 (SPLRCD)
S&P素材 373.87 +0.94 +0.25 (SPLRCM)
S&P工業 685.41 +1.36 +0.20 (SPLRCI)
S&P主要消費財 622.98 +1.55 +0.25 (SPLRCS)
S&P金融 489.12 +2.06 +0.42 (SPSY)
S&P不動産 235.74 -4.23 -1.76 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 453.17 +2.05 +0.45 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1083.84 -9.78 -0.89 (SPXHC)
S&P通信サービス 173.83 -0.12 -0.07 (SPLRCL)
S&P情報技術 1491.04 -2.16 -0.14 (SPLRCT)
S&P公益事業 317.71 -3.29 -1.03 (SPLRCU)
NYSE出来高 10.28億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 23345 + 25 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物12月限 円建て 23335 + 15 大阪比 <0#NIY:>