[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米国株式市場は最高値を更新して取引を終えた。米中貿易摩擦が緩和したほか、中国の経済指標が強い内容となり、投資家心理が改善した。
ダウ工業株30種 (DJI)は11月に付けた終値ベースでの最高値を上回って終了。S&P総合500種 (SPX)とナスダック総合 (IXIC)は3営業日連続で最高値を更新した。
複数のアナリストによると、米中両政府が13日、「第1段階」の通商合意に至ったことを受け、世界経済見通しが改善した。[nL4N28N3GZ]
16日発表された中国指標も堅調となり、楽観的な見方につながった。中国国家統計局発表の11月鉱工業生産は前年比6.2%増加と、5カ月ぶりの大幅な伸びとなった。11月の小売売上高も前年比8.0%増加し、市場予想を上回った。[nL4N28Q0VO]
米中の第1段階の合意により、アップル (O:AAPL)の「iPhone」など一連の消費者関連製品に関して15日に予定されていた対中関税の発動が見送られた。アップルは1.7%上昇し、S&Pとナスダックの上げを主導した。
貿易動向に敏感な半導体関連株も買われ、フィラデルフィア半導体 (SOX)は1.0%上昇した。
ブルダーマン・アセット・マネジメントのチーフ市場ストラテジスト、オリバー・パーシェ氏は「市場が見込んでいた最善のシナリオが確認された」と指摘した。
米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和政策や、おおむね堅調となっている米経済指標も、米株市場を支援してきた。S&P総合500種は年初来27%超上昇しており、年間上昇率は6年ぶりの大きさとなる見通しだ。
医療保険大手ユナイテッドヘルス・グループ (N:UNH)は2.3%高、医薬品大手アムジェン (O:AMGN)は2.7%高。米ゴールドマン・サックスが両社を「コンビクション・リスト(強い買い推奨リスト)」に追加した。
航空大手ボーイング (N:BA)は4.3%急落し、ダウの上値を抑制した。関係筋によると、同社は2件の墜落事故を起こした旅客機「737MAX」の生産を休止または縮小することを検討している。[nL4N28Q190]
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.39対1の比率で上回った。ナスダックでも1.65対1で値上がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は74億8000万株。直近20営業日の平均は68億5000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 28235.89 +100.51 +0.36 28191.67 28337.49 28191.67 (DJI)
前営業日終値 28135.38
ナスダック総合 8814.23 +79.35 +0.91 8791.31 8833.45 8789.77 (IXIC)
前営業日終値 8734.88
S&P総合500種 3191.45 +22.65 +0.71 3183.63 3197.71 3183.63 (SPX)
前営業日終値 3168.80
ダウ輸送株20種 10867.32 +91.56 +0.85 (DJT)
ダウ公共株15種 867.33 +10.48 +1.22 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1813.31 +17.27 +0.96 (SOX)
VIX指数 12.22 -0.41 -3.25 (VIX)
S&P一般消費財 967.51 +4.11 +0.43 (SPLRCD)
S&P素材 379.33 +1.77 +0.47 (SPLRCM)
S&P工業 686.00 -0.22 -0.03 (SPLRCI)
S&P主要消費財 643.49 +2.31 +0.36 (SPLRCS)
S&P金融 509.67 +2.04 +0.40 (SPSY)
S&P不動産 233.47 +1.76 +0.76 <.SPLRCR>
S&Pエネルギー 447.64 +6.29 +1.42 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1176.30 +12.60 +1.08 (SPXHC)
S&P通信サービス 180.12 +1.85 +1.04 (SPLRCL)
S&P情報技術 1580.49 +13.58 +0.87 (SPLRCT)
S&P公益事業 323.71 +4.13 +1.29 (SPLRCU)
NYSE出来高 11.04億株 <.AD.N>
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 24105 + 165 大阪比 <0#NK:>
シカゴ日経先物3月限 円建て 24070 + 130 大阪比 <0#NIY:>
(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)