[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米国株式市場は、情報技術(IT)株主導で反落して取引を終えた。中国や他国での新型コロナウイルスの新たな感染状況を受け、ウイルスの流行や世界経済への影響を巡る懸念が高まった。
S&P総合500種 (SPX)は午前の取引終盤に一時、急激に下げ幅を拡大し1%超値下がりする局面があった。一部の市場関係者は、中国共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報が、北京の病院で新たに36人の感染が確認されたと伝えたことが背景にあるとみている。これを受け、北京で新型ウイルスの感染が広がる可能性が懸念された。
新型ウイルスを巡っては、横浜港に停泊し、集団感染が確認されたクルーズ船の乗客から2人の死者が出たほか、韓国で新たに31人の感染が確認され、投資家はすでに神経質になっていた。新型ウイルスの感染力が想定以上に高いという研究結果も発表された。[nL4N2AK4T9]
RDMフィナンシャル・グループのエグゼクティブディレクター兼最高投資責任者(CIO)、マイケル・シェルドン氏は「背景にある問題は、新型ウイルスを巡る不透明感だ。状況が安定化し、最終的に改善に向かう前に、今後もさらに感染が拡大して世界経済に影響を及ぼすのかどうかだ」と語った。
同氏は、投資家は一部の大型IT株に利食い売りを出して、小型株など別のセクターに買いを入れているようだと指摘した。小型株で構成するラッセル2000指数 (RUT)は0.2%高。
S&Pの情報技術株指数 (SPLRCT)は1%下落した。同指数は今年のS&P500種の上げを主導してきており、昨年12月31日以降では依然として10%超上昇している。この日は、マイクロソフト (O:MSFT)、アップル (O:AAPL)、アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)がいずれも下落し、S&Pの下げを主導した。
オンライン証券のイー・トレード・フィナンシャル (O:ETFC)は21.8%の大幅高となった。金融大手モルガン・スタンレー (N:MS)が20日、同社を約130億ドルで買収すると発表したことが背景。米金融機関による買収案件としては2008─09年の世界的な金融危機以降で最大規模となる。[nL4N2AK4GJ]
メディア大手のバイアコムCBS (O:VIAC)は17.9%急落。合併完了後初の四半期決算で、売上高と利益が予想を下回った。[nL4N2AK4T3]
米取引所の合算出来高は83億6000万株。直近20営業日の平均は76億3000万株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 29219.98 -128.05 -0.44 29296.25 29368.4 28959.65 (DJI)
前営業日終値 29348.03
ナスダック総合 9750.97 -66.22 -0.67 9799.20 9820.86 9636.94 (IXIC)
前営業日終値 9817.18
S&P総合500種 3373.23 -12.92 -0.38 3380.45 3389.15 3341.02 (SPX)
前営業日終値 3386.15
ダウ輸送株20種 11032.96 +89.72 +0.82 (DJT)
ダウ公共株15種 952.40 +2.39 +0.25 (DJU)
フィラデルフィア半導体 1949.25 -30.25 -1.53 (SOX)
VIX指数 15.45 +1.07 +7.44 (VIX)
S&P一般消費財 1048.16 -0.12 -0.01
S&P素材 380.43 +0.51 +0.13
S&P工業 707.25 -1.17 -0.16
S&P主要消費財 662.73 +0.67 +0.10
S&P金融 514.70 -0.67 -0.13 (SPSY)
S&P不動産 258.73 +2.95 +1.15
S&Pエネルギー 411.11 -0.68 -0.17 (SPNY)
S&Pヘルスケア 1203.03 -7.52 -0.62 (SPXHC)
S&P通信サービス 191.80 -1.17 -0.61
S&P情報技術 1783.42 -18.19 -1.01
S&P公益事業 356.32 +1.12 +0.32
NYSE出来高 9.83億株
シカゴ日経先物3月限 ドル建て 23530 + 20 大阪比
シカゴ日経先物3月限 円建て 23525 + 15 大阪比
(S&Pセクター別指数は関連コンテンツでご覧ください; リフィニティブデータに基づく暫定値です。前日比が一致しない場合があります)