[4日 ロイター] - 米大統領選の集計作業が続く4日午前の米株式市場では、当初の予想に反してトランプ大統領が再選を果たす公算が大きくなったことで、コロナ禍による在宅勤務などのテレワークの拡大で恩恵を受けている情報技術(IT)株に安全買いが入っている。
3日に投開票が実施された米大統領選は、共和党候補のトランプ大統領が再選に必須とされるフロリダ州で勝利。トランプ氏は4日未明、集計作業中にもかかわらず、ホワイトハウスで一方的に勝利を宣言した。
以下は、トランプ氏の2期目続投を折り込みつつある4日午前の各部門の動き。
<エネルギー>
トランプ大統領続投なら規制緩和などが予想されるため、伝統的なエネルギー株に買い。太陽光発電のファースト・ソーラー (O:FSLR)や晶科能源(ジンコソーラー) (N:JKS)などは下落。
レイモンド・ジェームズのアナリスト、パーベル・モルチャノフ氏は「共和党が上院の過半数を維持する公算が大きいことで、民主党のバイデン氏が大統領選に勝利しても、気候変動対策を巡る主要な政策の実施は難しくなる」とし、「温暖化ガス排出ゼロ目標が、共和党が過半数を握る上院を通過する可能性は実質的にはゼロ」と指摘。
<大麻>
民主党副大統領候補のカマラ・ハリス上院議員が副大統領候補によるテレビ討論会で、連邦レベルでマリフアナ(大麻)を合法化すると発言したことを受け、マリフアナ関連株に買いが入っていた。
ただ出口調査でトランプ氏続投の可能性も示される中、マリフアナ銘柄に投資する上場投資信託(ETF)、オルタナティブ・ハーベストETF (N:MJ)は下落。ティルレイ (O:TLRY)、キャノピー・グロース (N:CGC)、クロノス (O:CRON)、オーロラ・カナビス (N:ACB)などの個別銘柄にも売りが出た。
<情報技術(IT)>
トランプ政権の規制緩和や税制などで恩恵を受けてきた大手IT企業は上昇。マイクロソフト (O:MSFT)、インテル (O:INTC)、IBM (N:IBM)のほか、「FAANG」銘柄(フェイスブック (O:FB)、アップル (O:AAPL)、アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)、ネットフリックス (O:NFLX)、グーグル親会社アルファベット (O:GOOGL))に買いが入っている。
<防衛>
トランプ氏続投で防衛予算が高水準に維持されるとの見方から買い。ノースロップ・グラマン (N:NOC)、ロッキード・マーチン (N:LMT)、レイセオン・テクノロジーズ (N:RTX)などが上昇。
<銀行>
大手行はおおむね下落。TSロンバードの戦略部門責任者、アンドレア・シシオーネ氏は「ねじれ議会が予想されることで、インフレ上昇、金利上昇を巡る観測の再考が必要になる」と指摘。