[東京 8日 ロイター] - ソフトバンクグループは8日、2020年4─12月期の連結純利益(国際会計基準)が前年同期の約6.4倍となる3兆0551億円だったと発表した。投資先の株価や公正価値の上昇により、ファンド事業で投資利益が拡大した。
全体の投資利益は3兆7995億円だった。このうちファンド事業は2兆7288億円だった。
ビジョンファンドでは、ドアダッシュやウーバーなどの株価が好調で未実現評価益1兆5415億円を計上したほか、未上場投資先の公正価値上昇で5306億円の評価益を計上した。投資の売却による実現益は2093億円だった。ビジョンファンド2ではKEホールディングスなどの上場後の株価上昇で未実現評価益5427億円を計上した。
持ち株会社投資事業からの投資利益は8465億円だった。上場株式などへの投資による損失3014億円を計上した一方、スプリントとTモバイルUSの合併とTモバイル株の一部売却による利益や未実現評価益などがあった。
このほか、通信子会社のソフトバンクのセグメント利益は7462億円、アーム事業は同454億円の赤字だった。アームは昨年9月、米半導体大手エヌビディアに全株を売却することで合意した。
4.5兆円超の資産売却・資金化で得た資金による自社株買いは1月末までに1.3兆円を取得。負債削減は昨年9月末までに国内無担保社債1676億円を買い入れ、シニアローン3000億円の期限前返済を実施した。
同社は未確定な要素が多いとして、通期見通しを公表していない。IBESがまとめたアナリスト8人のコンセンサス予想では、21年3月期通期の連結純利益予想の平均値は1兆6063億円。