[ラクナウ(インド) 8日 ロイター] - ヒマラヤ山脈に位置するインド第2の高峰ナンダデビ山付近で7日、崩落した氷河が土砂を巻き込んで渓谷に流れ込み、水力発電所を破壊。これまでに18人の死亡が確認され、トンネル内に取り残されるなどで200人余りが行方不明となっている。
濁流はリシガンガ水力発電プロジェクトと呼ばれる小規模な発電所を押し流し、ダウリガンガ川の下流にある、インド国営電力NTPCが建設中のタポバンヴィシュヌガド水力発電所にも被害を及ぼした。
行方不明者の多くはこれらの水力発電所の従業員という。
ソーシャルメディアに投稿された動画では、ダムの水位が急上昇し、建設資材や橋などを押し流す様子が写っている。
現在、30人ほどの作業員がタポバンヴィシュヌガド発電所のトンネルに閉じ込められているとみられ、救助活動が行われている。7日には、別のトンネルから12人が救助された。
気温が低く降雨のないこの時期に氷河が崩壊した理由は、現時点ではわかっていない。専門家によると、ナンダデビ地域では先週、降雪が多かったため、これが溶けて氷河崩壊につながった可能性がある。
またダムの耐久性にも疑問が投げ掛けられている。「ダムははるかに強い水圧にも耐えられるはずだ。今回はモンスーンの洪水よりずっと規模が小さい」(関係者)との指摘が出ている。
*不明者などの情報を更新・追加しました。