[パリ 19日 ロイター] - 仏自動車大手ルノーが発表した2020年通期決算は80億ユーロ(96億8000万ドル)の赤字となった。新型コロナウイルスの流行が響いた。
ただ、利益率と販売は2020年下期から回復し始めたという。
昨年7月に就任したルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)は、コスト削減を進めながら、利益率・販売の拡大を目指している。
同CEOは、今年も新型コロナを巡る不透明感や車載半導体の不足で、厳しい状況が続く可能性があると指摘。ただ、利益率は小幅に上昇しており、業績の回復に専念していくと述べた。
同社は、半導体不足が第2・四半期にピークに達すると予想。今年は約10万台の生産に悪影響が出る恐れがあるという。
リフィニティブがまとめた2020年損益のアナリスト予想は74億ユーロの赤字だった。
同社は一部のモデルで値上げを開始している。連結営業損益は通期では赤字だったが、下期は8億6600万ユーロの黒字、売上高の3.5%に相当した。
販売の減少は下期も続いたが、減少ペースは緩和したという。
同社は人員削減と車種の削減を進め、財務体質の強化を図る一方、研究開発などに投資している。