[ドバイ 14日 ロイター] - トルコのエルドアン大統領は14日、アラブ首長国連邦(UAE)を訪問した。エルドアン氏がUAEを訪問するのは2013年以来。両国は経済協力を目指しており、訪問中に通商などで多数の協定が結ばれた。
UAEの国営エミレーツ通信(WAM)によると、貿易、産業、健康・医療科学、陸上・海上輸送、気候変動対策に関して13件の協定が締結された。トルコの通信社は防衛に関する協定が結ばれたと伝えた。
エルドアン氏は、UAEの実質的な最高権力者であるムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン・アブダビ皇太子と会談した。皇太子は昨年11月にトルコを訪問、数十億ドルの投資協定に署名した。
WAMによると、UAEとトルコは、包括的経済連携協定(CEPA)の交渉開始に関する共同声明に署名した。UAEのタニ・アル・ゼイユーディ対外貿易担当相はロイターに対して、CEPAが発効すればトルコとの貿易の大幅増が見込まれるとした上で、両国が半年から1年の間に最終的な合意に至ることを望んでいるなどと語った。
約10年前の「アラブの春」以来、UAEとトルコは域内への影響力を競い合い、外交面で厳しく対立することも少なくなかった。しかしここ最近は、トルコが経済的な混乱に直面し、UAEが経済的な利害を優先する外交政策に転じたこともあり、関係改善が徐々に進んでいる。