執筆:Yasin Ebrahim
Investing.com -- 物価上昇圧力が数十年来の高水準にあることを示すと予想される最新のインフレ指標の発表を翌日に控え、米国債利回りは急上昇し、投資家がハイテク企業を売りに出たため、ダウ工業株30種平均は月曜日に下落した。
ダウ工業株30種平均は1.2%、413ドル、S&P500は1.6%、ナスダックは2.2%それぞれ下落した。
先週で上昇が一服したテクノロジー株は、来月の米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めペースがより積極的になるとの予想から、米国債利回りが上昇を続け、週明け月曜日は反落してスタートした。
投資家がFRBのタカ派的な姿勢を取り続けているため、米国債の利回りは上昇傾向にある。その結果、10年債利回りはこの1週間で2.40%から2.74%に押し上げられた。」と金融サービスのStifel社は述べている。
米国では3月のインフレ率が年率8.4%となり、40年ぶりの高水準に達したと発表されたため、FRBのインフレ抑制策は火曜日のインフレ指標の発表によっては更に厳しいものを迫られることになりそうだ。
Microsoft (NASDAQ:MSFT)は3%以上下落し、ハイテク企業の中で2番目に大きな事業であるOffice365が、コロナ禍と在宅勤務による追い風が弱まり、今後の成長が低下するとUBSが指摘したことから、大手ハイテク企業の下落を牽引した。
Facebook(NASDAQ:FB)、Apple(NASDAQ:AAPL)、Alphabet(NASDAQ:GOOGL)は2%以上の下落となった。
Tesla (NASDAQ:TSLA) のCEOイーロン・マスク氏がTwitter(NYSE:TWTR)の取締役会に参加する決定を撤回し、同氏が株を買い増す道が残されたため、市場全体の下落トレンドに逆行し上昇した。Twitter社の取締役会に参加すれば、マスク氏の所有株は14.9%を超えないように制限される予定だった。
Baird証券がNvidia(NASDAQ:NVDA)をアウトパフォームからニュートラルに評価を引き下げ、目標株価を360ドルから225ドルに下方修正したことで、同社に対するセンチメントが落ち込み、同社の株価も5%以上下落。ハイテク・セクター全体の足を引っ張る形となった。
同証券は、Nvidiaのコンシューマー向けGPUの注文キャンセルを指摘し、暗号資産Ethereumの今後の低下が需要をさらに押し下げる可能性があると述べた。
銀行を中心とする金融セクターは、四半期決算発表期を前に利回り上昇に後押しされ、0.2%の下落にとどまり、全体相場と比較するとアウトパフォームとなった。
JPMorgan(NYSE:JPM)は水曜日に決算発表し、Citigroup(NYSE:C)、Wells Fargo(NYSE:WFC)、Goldman Sacks(NYSE:GS)、Morgan Stanley(NYSE:MS)は木曜日に決算発表を控える。また、中国のロックダウン(都市封鎖)による需要への影響懸念から原油価格が圧迫される中で、エネルギー株は市場全体の大きな足かせとなった。
Occidental Petroleum (NYSE:OXY)、Diamondback Energy (NASDAQ:FANG)、ConocoPhillips (NYSE:COP)は、このセクターで最も下落した銘柄として挙げられる。
その他のニュースとして、ソニー(NYSE:SONY)は、ビデオ・ゲーム・メーカーとの協力関係をさらに拡大するため、Epic Gamesに10億ドルの追加投資を行う計画を明らかにした。