執筆:Yasin Ebrahim
Investing.com -- ダウは木曜日に重要な節目を下回り、1年以上前の安値を割り込んだ。FRB後の急騰が、景気後退の回避はできない可能性が高いという懸念で急速な値下がりがみられた。
ダウ工業株30種平均は2.4%、741ポイント下落し3万ドルを割り込み、またナスダックは4.1%、{{166|S&P500}は3.2%それぞれ下落した。
このような状況下、投資家はインフレがFRBの予想よりも長く続き、さらにタカ派的になることを懸念して、景気後退の可能性が高まることに備えているようだ。
モルガンスタンレー証券は、「FRBは依然としてコア・インフレの上昇がほぼ一時的なものだと考えている」と述べ、コア・インフレ率が今年4.3%でピークに達し、来年には結局3%未満に落ち着くとするFRBの見通しを指摘した。
しかし、インフレ率は現在8.6%で、「フィキシング」と呼ばれるデリバティブ商品のトレーダーは年内は8%を超えて推移すると予想している。FRBはターミナル・レート、つまりピーク時の4.5~5%まで、現在の予想値3.5~4%を超える利上げを迫られる可能性がある。
FRBの利上げ決定後に米国債利回りが低下したものの、モルガン・スタンレーは、イールド・カーブがまもなくフラット化を再開し、反転(重要な景気後退のサイン)するとの見方を示し、市場は「より高いターミナル・レートに向かって動く」と述べた。
市場の成長分野であるハイテクと一般消費財は前日の上昇分を失い、後者はFRBによる減速が景気を後退させるとの懸念から消費財株が低迷したことに引きづられた。
ロイヤル・カリビアン・クルーズ(NYSE:RCL)、ノルウェージャン・クルーズ・ライン(NYSE:NCLH)、カーニバル・コーポレーション(NYSE:CCL)などが大きく下落し、テスラ(NASDAQ:{13994|TSLA}}も10%下落してセクターの下落圧力を強めることになった。
一方、大手ハイテク株も敬遠され、フェイスブック(NASDAQ:META)、アップル(NASDAQ:AAPL)、アマゾン(NASDAQ:AMZN)が4%以上下落した。
KLA-テンコール・コーポレーション(NASDAQ:KLAC)は、今四半期のガイダンスを上方修正したものの、これまでの上昇分を失い、半導体株の下落の象徴となった。その後、新たに60億ドルの自社株買いプログラムを発表した。
水曜日の経済指標は、景気減速の懸念を増幅させた。住宅ローン金利が上昇し、住宅着工件数が13カ月ぶりの低水準に落ち込むなど、住宅市場低迷の勢いは衰えていない。
このデータに対して、住宅建設関連銘柄はすぐに反応した。トール・ブラザーズ(NYSE:TOL)、レナー(NYSE:LEN)、プルテグループ(NYSE:PHM)は、6%以上下落した。
Grant Thorntonのエコノミスト、Yelena Maleyev氏は分析メモの中で、「住宅ローン担保証券の売却を含む」FRBのバランス・シート縮小計画が進行する中、「...住宅は依然として炭鉱のカナリアのようなものだが、その歌声は静かになってきている」と表現した。