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ホットリンク Research Memo(3):「両利きの経営」で既存事業の深化と新規事業の探索を両立(2)

発行済 2022-09-06 16:03
更新済 2022-09-06 16:15
© Reuters.
3680
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■会社概要

2. 事業内容
ホットリンク (TYO:3680)の事業は、SNSマーケティング支援事業・クロスバウンド事業・DaaS事業・Web3関連事業に大別される。
ソーシャルビッグデータ市場において、収集・分析・活用の3領域を統合させた事業を展開している。
そして、既存事業の深化と新たな事業機会の探索による「両利きの経営」により、高成長率を実現する事業ポートフォリオを構築している。
次の開拓先としては、インターネット全体のパラダイムシフトと次のイノベーションを予見し、Web3関連分野への投資事業を本格的に立ち上げた。


(1) SNSマーケティング支援事業
ホットリンクで展開する同事業には、国内向けのSNS広告・SNS運用コンサルティングと、SNS分析ツール「クチコミ@係長」がある。
2022年12月期第2四半期累計の売上構成比ではSNS広告・SNS運用コンサルティングが21.5%、SNS分析ツールが6.8%となり、SNS広告・SNS運用コンサルティングの割合は、企業のSNS活用などの旺盛な需要の取り込みによって、今後さらに拡大する見込みである。


SNSマーケティング支援事業では、主にTwitterを活用したマーケティング支援サービス(SNS広告代理販売・SNS運用コンサルティング)を展開する。
SNS運用コンサルティングでは、保有するソーシャルビッグデータと長年蓄積してきたノウハウや独自メソッドを生かして、顧客企業の商品の認知度拡大や売上アップにつながる施策をTwitterなどで実施している。
サービス構成は、SNS広告・レポート・コンテンツ制作からなるフロー型と、コンサルティング・SNSアカウント運用代行からなるストック型に大別される。
ストック型であるコンサルティング・SNSアカウント運用代行の契約数が着実に増加しており、これに伴いフロー型サービスの受注も増加する好循環が生まれている。


顧客企業は食品・飲料、美容・コスメ、オンライン学習サイト運営などBtoC企業を中心に幅広い業種にわたっており、企業規模としては売上高で1,000億円前後の企業が多い。
それ以上の大企業になるとテレビCMなどを利用する企業が多く、大手広告代理店との関係構築が既にできあがっており、参入するにはハードルが高いためだ。
ただ、SNS広告運用のパフォーマンスについては大手広告代理店よりも勝っており、大手自動車メーカーから受注したケースもある。
足元では、Fintech及び通信・エネルギー分野など景況感に左右されない業種の比率を高め、顧客ポートフォリオの拡充を図っている。
また、顧客単価の上昇・新規顧客獲得に向けた取り組みとして、業種業界の垣根を超えたアライアンスを実施する方針である。


SNSを使った効果的なプロモーション施策として、同社はUGC(User Generated Contents:ユーザーが発信する口コミなどのコンテンツ)を増やすことが重要と考えており、UGCの発生に伴って起きる一連の消費者の購買行動プロセスを「ULSSAS(ウルサス)」として体系化している。
具体的には、起点となるUGC(Twitter上での投稿)に、それを見たフォロワーがLike(いいね!)を付ける。
そして、SNS内での検索(Search1)や、Googleなどの検索エンジンを使って商品を確認し(Search2)、購入(Action)する。
その後にTwitter上で拡散(Spread)する。
このような一連のプロセスを循環させることで、顧客企業の商品の売上アップを図る。


この循環プロセスを効率的に作り上げるには、同社が長年蓄積してきた成功パターンから編み出した独自メソッドがカギを握っており、他社との差別化要因となっている。
例えば、Twitterの情報収集だけでなく、ブログやほかの口コミサイトなど様々なデータを組み合わせて分析し、AIによって自動抽出した最適なUGC発信者に対してプロモーション対象商品の広告を配信している。
このため、同社のマーケティング支援サービスは費用対効果の高いサービスとして注目されており、リピート率も70%以上と高く、「Twitterマーケティング」と言えば「ホットリンク」というブランドを確立している。


一方、SNS分析ツールとなる「クチコミ@係長」の特長は、国内最大級のソーシャルメディアデータを保有し、トレンド分析や属性分析などを簡単操作、かつリアルタイムに実行できること、また、テレビやWebニュースなどとのクロスメディア分析、自社が保有するデータ(アンケート、コールログ等)のテキストマイニングを行うデータインポート分析機能なども実装していることが挙げられる。
特に、ソーシャルメディア分析では国内ブログの約90%をカバーしているほか、投稿サイト「5ちゃんねる」の過去データや、全世界のTwitterデータを相手先との契約に基づいてすべて収集するなど、国内では圧倒的なソーシャルメディアデータを保有していることが強みである。


顧客企業は「クチコミ@係長」を使ってソーシャルビッグデータを分析し、自社の商品開発や販促活動、競合他社比較等の調査などに利用している。
初期導入費用は10万円、月額利用料は13万円からで、利用可能ID数や対象メディア、データ容量などによって料金が加算される。
大口ユーザーでは月額100万円程度となる企業もある。
累積導入社数は1,000社以上で、このうち現在の実稼働数は約300社となっている。
利用企業の約8割は大企業で、消費財メーカーやサービス、金融機関など幅広い企業に導入されている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)


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