[台北 21日 ロイター] - 半導体受託生産分野で世界首位の台湾積体電路製造(TSMC)の創業者、張忠謀(モリス・チャン)氏は、米アリゾナ州で建設中の新工場で回路線幅3ナノメートルの最先端半導体の生産を計画しているが、計画はまだ完全に確定していないと述べた。
張氏は記者団に、アリゾナ州で5ナノの工場を建設する予定だとし、「3ナノの計画はあるが、完全に確定したわけではない。5ナノが第1段階、3ナノは第2段階だ」と語った。
TSMCはコメントを控えた。
TSMCは同州で12月6日に最初の製造装置を搬入する式典を執り行う。張氏によると、レモンド米商務長官が出席する予定。バイデン大統領にも招待状を送ったが出席するかどうかは分からないと述べた。
中国が台湾への軍事的圧力を強める中、半導体の調達で台湾に依存し過ぎることへの懸念が浮上している。
張氏は、半導体の重要性がようやく認識され始めたところだと指摘し、「台湾の優れた半導体製造能力に嫉妬している人は多い。国家安全保障、あるいはビジネスの観点で多くの人が自国での半導体製造を望んでいる」と述べた。
タイで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)会合に出席していた張氏は、現地で「多くの国から製造拠点誘致の話があった」と述べたが、具体的な国名は明らかにしなかった。