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インテリックス Research Memo(5):リノヴェックスマンションは販売件数、仕入件数ともに前年同期比で増加

発行済 2023-03-07 15:35
更新済 2023-03-07 15:46
© Reuters.
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*15:35JST インテリックス Research Memo(5):リノヴェックスマンションは販売件数、仕入件数ともに前年同期比で増加 ■インテリックス (TYO:8940)の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) リノベーション事業分野
リノベーション事業分野の売上高は前年同期比18.9%増の16,184百万円、売上総利益は同2.0%増の2,226百万円、営業利益は同28.3%減の487百万円となった。
売上高の内訳を見ると、物件販売はリノヴェックスマンションの販売件数増加と販売価格の上昇により同18.8%増の15,178百万円となり、賃貸収入も手持ち賃貸物件の増加により同4.2%増の78百万円と増収に転じた。
また、その他収入はリノベーション内装工事の受注増により同21.2%増の927百万円(うち、リノベーション内装工事は同19.3%増)となった。


売上総利益については物件販売が同1.2%増の2,071百万円、売上総利益率で前年同期の16.0%から13.6%に低下したことにより、全体でも同2.0%増と微増にとどまった。
建設資材価格の上昇や部材不足の影響による施工期間の長期化、「エコキューブ」の販売増が利益率の低下要因となった。
ただ、リノヴェックスマンションの販売件数1件当たりの売上総利益は約3百万円と前年同期並みの水準を確保している。


リノヴェックスマンションの事業期間については115日と前年同期の109日から6日増加した。
内訳を見ると、販売期間は74日から64日と短縮したものの、施工期間が35日から51日と長期化しており、部材不足や「エコキューブ」の施工件数増加が影響したと見られる。
売上総利益率は13.6%に低下したが、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)以前の水準が13%前後であったことからすると、適正水準の範囲内に戻ったと見ることもできる。


リノヴェックスマンションの販売件数は前年同期比2.6%増の584件、販売額で同18.2%増の15,240百万円と2期ぶりの増加に転じた。
半導体不足に起因した住設機器等の資材調達遅延や建設資材価格の上昇に伴う価格転嫁を進めたが、需要は引き続き旺盛で販売は順調に推移した。
地域別では首都圏が同17.9%増の277件、地方エリアが同8.1%減の307件となった。
首都圏では「エコキューブ」の販売拡大に向けて比較的高価格帯の物件について前期から積極的に仕入活動を進めてきたことが奏功し、特に東京23区は同47.8%増の133件と大幅増となった。
一方、地方エリアでは名古屋、福岡、広島で販売件数が減少した。
なお、「エコキューブ」の販売件数は65件と全体の11%を占めた。
主に東京23区内での販売が中心であったが、地方エリアでの販売実績も出始めているようだ。


一方、仕入件数については前期比6.9%増の680件、仕入額で同28.5%増の12,200百万円と2期連続で増加した。
地域別では首都圏が同6.9%増の295件、地方エリアが同6.9%増の385件となり、なかでも東京23区が同38.0%増の149件と大きく増加した。
平均仕入単価はほぼ全エリアで上昇しており、積極的に仕入活動を進めたことがうかがえる。



同期間(2022年6月-2022年11月)における首都圏の中古マンション業界の動向について見ると、成約件数は前年同期比8.5%減の17,312件と減少した一方で、在庫件数は2022年11月時点で4.1万件とやや増加傾向となっている。
販売件数の減少については、景気の先行き不透明感が強まっていることに加えて、販売価格が全体的に上昇してきたことで賃貸物件に需要がシフトする傾向になったことが影響したものと考えられる。
ただ、東京23区内の人気エリアなどでは引き続き需要が堅調に推移しているようで、地域間格差が生じているものと見られる。
こうしたなか、同社は首都圏での販売シェアをやや回復させたことになる。
積極的な仕入れ活動に加えて「エコキューブ」の販売が進展したことが主因と見られる。
「エコキューブ」が差別化商品として市場に浸透していけば、今後もシェア拡大により販売件数の増加基調が続く可能性も十分ある。
なお、在庫水準が業界全体で増加傾向となっているが、直近ピークの2019年時点が4.8万件の水準であったことからすれば過剰感はないと弊社では考えている。


(2) ソリューション事業分野
ソリューション事業分野の売上高は前年同期比49.8%減の1,743百万円、売上総利益は同42.2%減の430百万円、営業利益は同51.4%減の147百万円となった。
売上高の内訳を見ると、物件販売が同63.8%減の1,046百万円、賃貸収入が同2.8%増の499百万円、ホテル等の宿泊事業を中心としたその他収入が同109.6%増の197百万円となった。


物件販売については、前年同期に計上したリースバック事業における流動化案件(1,843百万円)※を2023年5月期第2四半期累計では実施していないことが減収要因となった。
リースバック物件の取得件数は72件、取得額で約15億円とほぼ前年同期並みの水準にとどまった。
参入企業の増加により競争が激化しているようで、今後プロモーション戦略を見直しながら取得件数を増やしていく考えだ。
その他収入については「LANDABOUT(ランダバウト)」(東京都台東区)や「モンタン博多」(福岡県福岡市)などのホテル稼働率が回復したことにより大幅増収となり、損益面でも黒字に転換した。
当面はこれらホテル施設については自社保有を続けていくが、コロナ禍が収束し稼働率が安定してくればアセットシェアリング商品として販売していくことを視野に入れている。


※2021年8月に88件を合同会社あんばいLB2号に1,843百万円で譲渡した。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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