[東京 7日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比71円38銭高の2万8309円16銭と、3日続伸して取引を終えた。米半導体株安を受けて安く始まったが、バリュー株を物色する動きが継続して相場を支え、指数はプラスに切り返した。TOPIXは約1年3カ月ぶりの高値を付けた。
日経平均の寄付きは小安いスタートだった。前日の米半導体株安が国内半導体関連株の重しになった。一方、鉄鋼や銀行といったバリュー株の物色が継続して相場を底上げし、指数は短時間でプラスに浮上。一時160円高の2万8398円27銭に上昇した。
ただ、上げ幅は限られた。日経平均は前日までの2連騰で700円超上昇して3カ月ぶり高値圏にあったことから、高値警戒感から利益確定や戻り待ちの売りが重しになった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言や週末の雇用統計への警戒感も、上値を抑える要因になった。
米国でのイベントを巡って市場では、先行きの米利上げの織り込みは進んでいるとして「発言や数字によほどのサプライズがなく金利の上昇が一服するなら、株式市場には安心感が出るのではないか」(楽天証券経済研究所の香川睦チーフグローバルストラテジスト)との見方も聞かれた。
TOPIXは0.42%高の2044.98ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比0.42%高の1052.27ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は2兆7872億4900万円だった。東証33業種では、値上がりは原油高でしっかりだった鉱業や、鉄鋼、銀行業など28業種で、値下がりは海運業やパルプ・紙、不動産業など5業種だった。
個別では神戸製鋼所が昨年来高値を更新。しずおかFGも買われた。野球の国・地域別対抗戦ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)関連でミズノも物色が継続し昨年来高値を更新した。一方、東京エレクトロンは軟調。新型ロケットの打ち上げ失敗が伝わった三菱重工業はさえなかった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1248銘柄(68%)、値下がりは493銘柄(26%)、変わらずは94銘柄(5%)だった。