[横浜市 7日 ロイター] - 国内商用車シェア首位のいすゞ自動車は7日、主力の小型トラック「エルフ」を17年ぶりに全面改良し、同社初の量産型電気自動車(EV)モデルを国内で発売した。大手では最後発の参入となるが、荷主が物流での脱炭素を求めており、拡大が見込まれるEVトラック市場の需要を取り込む。
国内販売計画はEVを含むシリーズ全体で年間4万台。EVは現時点でリースのみ、価格は仕様によって異なる。日本を皮切りに北米、欧州などにも順次投入する予定。
片山正則社長は発表会で、新型エルフでディーゼルエンジン車のほか、用途に応じて電池容量が選択できるEVも投入し、顧客に「選べる自由を提供する」と述べた。
電池は小型パック(1個当たり20キロワット時=kWh)を開発し、車格や使い方に応じて2パックから最大5パックまで選べるようにした。航続距離は電池の搭載量、走り方や天候などで異なるが、自社測定値で約100─170キロメートル。
EVは高コストが課題だが、ディーゼル車と同じプラットフォーム(車台)を採用し、同じラインで生産するなどし、コストを抑えた。
国内のEVトラックは、三菱ふそうトラック・バスと日野自動車がすでに投入しており、EVベンチャーなども中国製のトラックや商用バンで市場を開拓し始めている。荷主の物流会社も価格競争力のある商用車の導入を進めている。海外では、大型EVトラックをEV専業のテスラが販売、独ダイムラー・トラックも開発しており、競争は激化している。