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日経平均は5日ぶり反落、ドル円の先高観後退や国内経済指標の下振れを懸念

発行済 2023-05-31 12:26
更新済 2023-05-31 12:30
© Reuters.

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*12:26JST 日経平均は5日ぶり反落、ドル円の先高観後退や国内経済指標の下振れを懸念  日経平均は5日ぶり反落。
351.62円安の30976.54円(出来高概算6億5994万株)で前場の取引を終えている。


 30日の米株式市場でダウ平均は50.56ドル安(-0.15%)と小反落。
週末に債務上限の引き上げで合意したことを受け、買いが先行。
しかし、議会採決の行方に対する不透明感から失速すると終日軟調に推移。
一方、長期金利の低下や半導体エヌビディアの上昇を支えにナスダック総合指数は+0.32%と3日続伸。
連休明けの米株高を織り込んでいた東京市場は反動が意識されるなか、1ドル=140円を割り込んだ円高・ドル安も重しとなり、日経平均は271.07円安からスタート。
早い段階で30928.88円(399.28円安)まで下落した。
心理的な節目を意識した動きから前場中ごろにかけては31142.78円(185.38円安)まで下げ幅を縮めたが、戻り一服となると前引けにかけて再び31000円を割り込んだ。


 個別では、三菱商事 (TYO:8058)や丸紅 (TYO:8002)、三井物産 (TYO:8031)などの商社や、日本製鉄<
5401>、JFE (TYO:5411)の鉄鋼、INPEX (TYO:1605)、石油資源開発 (TYO:1662)の鉱業、三菱マテリアル
(TYO:5711)、DOWA (TYO:5714)の非鉄金属のほか、コマツ (TYO:6301)、クボタ (TYO:6326)の建機など景気敏感株の下落が目立つ。
為替の円高でSUBARU (TYO:7270)、マツダ (TYO:7261)の自動車は大幅安。
アドバンテスト (TYO:6857)、東エレク (TYO:8035)の半導体の一角、新光電工 (TYO:6967)、太陽誘電 (TYO:6976)、ファナック (TYO:6954)などのハイテクも安い。
ファーストリテ (TYO:9983)、ソニーG (TYO:6758)、OLC (TYO:4661)など値がさ株も下落。
業績予想を下方修正したカナモト (TYO:9678)
は大きく下落。


 一方、ソフトバンクG (TYO:9984)、ソシオネクスト (TYO:6526)、ルネサス (TYO:6723)、イビデン<
4062>、日本電子 (TYO:6951)がハイテク安のなかで逆行高。
米長期金利の低下を受け、Sansan (TYO:4443)、JMDC (TYO:4483)、マネーフォワード (TYO:3994)など内需系グロース(成長)株が高い。
三菱UFJ (TYO:8306)、みずほ (TYO:8411)などの銀行や、ヤクルト本社 (TYO:2267)、アサヒ (TYO:2502)
などのディフェンシブ系の一角も堅調。
三菱ふそうとの経営統合を発表した日野自動車 (TYO:7205)は急伸。
メタバース関連企業の子会社化を発表したモバファク (TYO:3912)、業績フォーキャストが好感されたADワークスグループ (TYO:2982)、目標株価が引き上げられたサンアスタリスク (TYO:4053)なども大幅高。
今期の黒字転換と復配計画が好感された四国電力 (TYO:9507)も上昇。


 セクターでは卸売、鉄鋼、鉱業が下落率上位に並んだ一方、銀行のみが上昇した。

東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の85%、対して値上がり銘柄は12%となっている。


 日経平均は5日ぶり反落。
前日は前場安値から後場は300円高と急速に切り返して4日続伸したが、本日は連休明けの冴えない展開だった米株式市場を受けて売りが優勢となっている。


 米連邦政府の債務上限交渉は合意に達したものの、議会採決への不透明感がくすぶっている。
マッカーシー下院議長は可決に自信を示している一方、米共和党の強硬派議員らはバイデン米大統領とマッカーシー下院議長の合意に対して報復するなどと警告している。
共和党内の一部ではマッカーシー下院議長の解任動議の採決を計画しているとも伝わっている。


 一方、どんなに難航したとしても最終的には可決されるであろうことから、将来的な歳出抑制の景気に対する影響を織り込む形で、米債券市場では長期金利が大きく低下。
また、前日発表された5月ダラス連銀製造業活動指数が-29.1と予想(-18.0)を下回り、4月(-23.4)から悪化したことも金利低下に拍車をかけた。


 こうした米長期金利の低下に加えて、国内では足元で財務省と金融庁および日本銀行による情報交換会合が本日午後5時半から開かれるとも伝わっている。
30日の外国為替市場でドル・円相場が一時1ドル=140円93銭と、昨年11月以来のドル高・円安水準を付けたことを受け、直近の急激な為替変動に対応した動きのようだ。
これらの複合的要因を背景に、為替は前日の米国時間から1ドル=140円を割り込んできている。


 米債務上限問題の最終的解決に予想外に時間がかかり、債務不履行(デフォルト)
リスクが意識されるようなネガティブシナリオが実現した場合には、リスク回避目的の円買い・ドル売りが強まる可能性があるし、あっさりと解決に向かっても結局、景気動向への懸念や国内当局によるけん制などからドル円は伸び悩む可能性が高まってきた。
ドル円の先高観が薄れ、1ドル=140円超えの定着は困難との見方が強まれば、日本株にも影響がありそうだ。


 独り勝ちの様相を呈している東京市場ではその他にも気掛かりな要素が出てきた。

今朝、取引開始前に発表された国内4月鉱工業生産は前月比-0.4%と予想(+1.4%)
に反してマイナスとなり、3月(+1.1%)から大きく失速。
前年比でみても-0.3%と予想(+2.0%)を大きく下回った。
また、4月小売売上高は前月比-1.2%とこちらも予想(+0.5%)に反してマイナスとなり、前回(+0.6%)から大幅に悪化した。


 東証によるPBR改善要請やバフェット効果などは引き続き下値を支える要因として意識されるだろうが、経済再開(リオープン)などで相対的に底堅いとみられてきた国内経済への楽観的な見方はやや修正が必要そうだ。
鉱工業生産の結果をみても、やはり製造業主体の日本は世界景気の減速からの影響を免れることができないようだ。


 日経平均は前日および本日といずれも31000円を下値として意識して下げ渋る動きが見られており、底堅さは健在の様子。
ただ、上述したように日本株を巡る環境を楽観視ばかりもしていられない状況だ。
これまで相場のけん引役となってきた海外投資家が好んで買ってきた東証プライム市場の主力大型株は景気敏感株が多い。
これら銘柄の上昇ピッチはこれまで非常に速かっただけに、上述した背景からいったんは小休止の局面に入りそうだ。
前日の当欄での繰り返しになるが、ここからはやはり出遅れ感の強い中小型株に投資機会を見出していきたい。

(仲村幸浩)

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