[ロンドン 26日 ロイター] - 英銀ナットウエストのアリソン・ローズ最高経営責任者(CEO)が26日辞任した。旧ブレグジット党の党首を務めたナイジェル・ファラージ氏と同行の関係についてBBCの記者と話した際に「重大な判断ミス」があったことを認めた。
同行は商業・機関投資家向け事業の責任者であるポール・スウェイト氏が12カ月間、暫定CEOに就くと発表した。
ナットウエストは傘下のプライベートバンク、クーツがファラージ氏の口座閉鎖を決定したことで、政治家やメディアから厳しい追及を受けている。
ファラージ氏が入手した内部文書によると、クーツの風評リスク委員会は同氏の価値観とクーツの価値観が一致しないと判断していた。
BBCがこの問題を報じたことを受けて、ローズ氏がファラージ氏の口座について記者に明かしたかどうかが焦点となっていたが、ローズ氏は25日の声明で「(ファラージ氏の)ナットウエストとの関係」について話したことを認めた。
ただファラージ氏の個人的な財務情報は明らかにしていないと強調した。クーツおよびナットウエストと取引するための資格に関して一般的な質問に答えただけだが、同氏の口座閉鎖の決定が金銭的な理由であるかのような印象を記者に与えてしまったと述べた。
BBCはファラージ氏がクーツの顧客となるために必要な財務基準を満たしていなかったと報じていた。記者は記事が「不完全で不正確」だったと述べ、BBCはファラージ氏に謝罪した。
英国の金融行動監視機構(FCA)はナットウエストの取締役会に対し、この問題を調査するよう求めている。グリフィス金融サービス相は26日に銀行関係者と面会し、政治的見解を理由に銀行が口座を閉鎖したことについて協議する。