[東京 10日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比623円61銭高の3万4386円79銭と、続伸して取引を終えた。日経平均は心理的節目の3万4000円を回復した後も上値追いの展開となり、ザラ場でのバブル崩壊後高値を更新した。1990年3月上旬以来、約33年10カ月ぶりの高値水準となった。9日の米国株式市場でのハイテク株高に加え、為替のドル高/円安が日本株を押し上げた。市場では東証の改革要請や新NISA(少額投資非課税制度)への期待なども株価押し上げ要因になっているとの見方もあった。
日経平均は前営業日比133円高の3万3896円33銭と続伸して寄り付いた。心理的節目の3万4000円を回復した後は上昇に弾みをつけ、639円高の3万4402円45銭で高値をつけた。前日午後3時時点で143.80円台となっていた為替のドル/円は144.80円近辺と急速にドル高/円安が進行。時間外取引での米株先物はナスダックが上昇し、大型ハイテク株の支えとなった。
TOPIXは1.3%高の2444.34ポイントで午前の取引を終了し、同じくバブル崩壊後高値を更新した。東証プライム市場指数は前営業日比1.3%高の1257.73ポイント。東証プライム市場の売買代金は1兆9549億2800万円だった。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストはきょうの日経平均の大幅上昇について、年末に積み上がっていたショートポジションの買い戻しによるものと分析する。ただ、中長期的にみても日本株への期待は根強く、「新NISAで個人投資家の資金が流入しているほか、東証改革への期待もあり、足元の日本株は相対的に投資しやすい」という。東証は15日に改革要請に基づいて開示している企業の一覧表を公表する予定。
東証33業種では、値上がりは精密機器、その他製品、医薬品、電気機器など31業種で、値下がりは海運の1業種にとどまった。鉱業は変わらずだった。
個別では、ファーストリテイリング (T:9983)が2%超高で日経平均を約96円押し上げたほか、東京エレクトロン (T:8035)、京セラ (T:6971)、TDK (T:6762)もしっかり。富士通 (T:6702)は2%超安。英政府調達からの締め出し圧力にさらされていると報じられ、嫌気された。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1251銘柄(75%)、値下がりは354銘柄(21%)、変わらずは52銘柄(3%)だった。