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プロディライト Research Memo(4):クラウドPBX「INNOVERA」を中心に回線や端末を販売

発行済 2024-06-24 18:44
更新済 2024-06-24 18:45
© Reuters.
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*18:44JST プロディライト Research Memo(4):クラウドPBX「INNOVERA」を中心に回線や端末を販売 ■事業概要

2. サービス内容
(1) システムサービス
プロディライト (TYO:5580)は、技術革新の大きなパラダイムシフトの1つであるクラウド技術をPBXに応用し、クラウドPBX「INNOVERA」を独自に開発した。
これは、PBXや端末による場所の占有や、メンテナンスといった現場の作業負担がなくなるなど、固定電話のあり方を根本から変えるシステムのため、顧客は様々なメリットを享受できるシステムである。


メリットとしてはまず、03や06、0120といった発着信や内線通話などの固定電話の機能を、場所を問わずスマートフォンやPCで使えることだ。
固定電話など従来の電話システムの弱点であった架電場所の制約をなくしたため、テレワークやフリーアドレスといったオフィスの働き方改革を支援することも可能となった。
クラウドなので導入する際に機器を必要としないため、PBXを設置する場所が必要ないので省スペースなうえ、設置や運用、メンテナンスといった手間をかけずに常に最新の環境で利用できる。
発着信や内線番号、自動音声応答の設定など電話環境の変更が必要な場合、従来のPBXでは専門家による現地での作業に加えて運用する企業側も専門技術・知識が必要だったが、それも不要で、Webブラウザから容易に設定を変更できる。
もちろん従来のPBXのような機械的な故障がないため、現場のメンテナンスや修理作業も不要となる。


さらに、全通話録音、段階着信ガイダンス設定、AIによる通話のテキスト化など機能の追加を容易に行えるうえ、他のサービスとのAPI※連携など高い拡張性がある。
このような拡張オプション機能の1つに「INNOVERA Outbound」があり、発信から情報入力・確定まで一連のコールワークを、単純明快な架電画面においてマウス1つで完結させることが可能となっている。
このため、PC操作が苦手なオペレーターでも簡単に操作することができ、コールセンターではどんな人でも即戦力になれる。
後述する同社独自の電話回線「IP-Line」を利用することで、主要都市を含め約40種類の市外局番を利用できるうえ、同じ電話番号のまま固定回線からIP回線へと移行することもできる。
もちろん新たな番号を取得することもできる。
どんなシステムとも幅広く連携できるため、現在利用中の外部システムをAPIでつなぐだけでサービスの拡張を図ることもできる。
なお、API連携では現在、Salesforce(Salesforce (NYSE:CRM))及びkintone(サイボウズ (TYO:4776))といった大手企業が提供する営業支援システムとの連携が可能である。
また、通話内容をテキストで届ける「目で聴く」電話「Speech Posting」や、ワークマネジメントソリューション「INNOVERA Emotion」など、AI技術を使ったオプションサービスの提供も開始した。


※API(Application Programming Interface):営業支援システムなど他社のソフトウェアやアプリケーション機能の一部を共有すること。
API連携によって、アプリケーション機能を拡張できる。



(2) 回線サービス
同社は、電気通信事業を展開するアルテリア・ネットワークス(株)※と提携した回線「IP-Line」の提供など、クラウド上の「INNOVERA」に直接収容可能なIP電話回線サービスを提供している。
従来の電話では開設時に屋外から屋内へと電話回線を引く必要があったが、「IP-Line」では、クラウド上の「INNOVERA」に直接収容することでインターネットを介して音声通話を行えるため、電話回線の設置が不要だ。
このように物理的な電話回線が不要なことから、インターネットがつながっていれば災害時でも電話の利用が可能であり、企業のBCP対策としても有効と言える。


※丸紅 (TYO:8002)及びセコム (TYO:9735)の公開買付により、2023年10月18日に上場廃止した。



回線サービスの特徴は、同社独自のIP電話回線にあり、インターネットを用いるため市内や市外という区別がなく、全国一律の料金で通話が可能な点にある。
同社「IP-Line」のメリットは、番号の提供エリアが東京03・大阪06だけでなく全国主要都市の市外局番をカバーしている点※1にあり、他社システムを使ったものの全国をカバーしていないため断念したクラウドPBXの導入も実現可能な場合がある。
また、今使っている電話番号を変えずに、固定電話回線からIP電話回線へ移行できる※2。
日本の通話のおよそ4分の1が90秒以内に終了していると言われる一方で、一般的なIP電話回線はつながっただけで180秒分の通話料が発生することが多いが、同社では他社にない「90秒課金」を採用しているため、理論上、同社に切り替えるだけで最大42.5%の通話料削減が見込まれる。
「IP電話は音質が悪い」というイメージがあるが、「IP-Line」は通常の通話には差し支えないクリアな音声を提供している※3。
国際電話にも対応しており、発着信を行える国・地域を限定しているため安心して利用できるうえ、業界トップクラスの安さを実現している。
発信者の通話料負担がない着信課金番号の0120/0800が使える「Free-ProLine」も用意している。


※1 一部に提供エリア外の番号がある。

※2 一部に提供できないエリアもある。

※3 通信環境により異なる。



(3) 端末販売
同社は、クラウドPBXと組み合わせてインターネット環境下で利用可能なSIP電話機を販売している。
世界トップのSIP電話プロバイダーである中国Yealinkとの間で、日本におけるSIP電話機の総代理店契約を締結し、販売やサポート、日本語ファームウェア(組み込みソフトウェア)の開発と運用を担っている。
Yealinkの高い技術力と品質管理を背景としたSIP電話機は、製品不良率や静電気対応、落雷対応などに優れているうえ、Microsoft Teamsと連携できるため、欧州を中心に広く世界各地で利用されている。
「INNOVERA」以外の他社製クラウドPBXでも使用可能なため端末単独での販売も行っているが、今後はアプリの導入によって、個人所有のスマートフォンの利用を図っていく考えである。
このほか、4K表示で1,200万画素カメラや高機能スピーカーを搭載するWeb会議用大型ディスプレイ「MAXHUB」の販売も行っている。
「MAXHUB」はプレゼンテーション機能やホワイトボード機能、Web会議機能を有しているため、会議を効率的に運営するなど様々なビジネスシーンで活用されているほか、IT化が進む教育現場へも電子黒板として導入が進んでいる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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