[22日 ロイター] -
(カッコ内は前営業日比)
FT100種総合株価指数(ロンドン) .FTSE 終値 5900.01(+126.22) 前営業日終値 5773.79(+100.21)
クセトラDAX指数(フランクフルト) .DAX 終値 9764.88(+190.72) 前営業日終値 9574.16(+182.52)
CAC40種平均指数(パリ) .FCHI 終値 4336.69(+130.29) 前営業日終値 4206.40(+81.45)
<ロンドン株式市場> 続伸。原油価格の持ち直しを受けエネルギー株が買われた。 週間では約1.7%上昇。週間ベースで今年初めてのプラスとなった。年明け以降、 世界第2位の経済規模を誇り金属や石油の主要な消費国である中国の減速懸念から世界的 な株価下落が続いていた。 原油価格は今月、12年ぶりの安値水準に落ち込んだものの、この日は急反発し、英 石油大手BP BP.L や英蘭系同業のロイヤル・ダッチ・シェル RDSa.L などが値上がりし た。 一方で鉱業株は終盤にかけて売りが集中し、マイナス圏で取引を終えた。英資源大手 アングロ・アメリカン AAL.L は8.6%、スイスの同業グレンコア GLEN.L は4.5% 、英豪系の同業リオ・ティント RIO.L は1.1%それぞれ下落した。アングロ・アメリ カンについては、このまま値下がりが続けばFT100種の構成銘柄から外されるのでは ないかとの声も上がっている。 シティグループは米鉱業・エネルギー大手フリーポート・マクモラン FCX.N の決算 発表を来週に控え、同社の目標株価を引き下げた。数人のトレーダーは、米市場でのフリ ーポートの値下がりがロンドン市場の関連株の重しになったのではないかと指摘していた 。 市場では、格付け会社ムーディーズが石油・ガス、鉱山企業175社を格下げ方向で 見直すと発表したことが、鉱業株には打撃になったとの声も聞かれた。
<欧州株式市場> 続伸。大幅な安値水準にあったエネルギー株が持ち直し相場を押 し上げた。 FTSEユーロファースト300種指数 .FTEU3 は38.33ポイント(2.96% )高の1332.38。同様の高い伸びを示したのは昨年10月5日以来となる。週間で は約2.7%上昇と昨年11月以来の大幅な伸び率となり、今年初めてのプラスを記録し た。 DJユーロSTOXX50種指数 .STOXX50E は79.29ポイント(2.69%) 高の3023.21だった。 株式市場は今年に入り、原油価格が12年超ぶりの安値に落ち込んだことや世界経済 の先行き懸念を受け不安定な値動きが続いていた。市場では、こうした懸念は行き過ぎだ ったとの見方が多い。 原油価格はこの日、1バレル=30ドルを上回る水準まで持ち直した。燃料需要が増 える可能性のある寒波の到来や、金融市場の安定化を受け、売りポジションを解消する動 きがみられたためだ。 STOXX欧州600石油・ガス株指数 .SXEP は5.06%上昇。個別銘柄ではイ タリアの石油大手ENI ENI.MI とフランスの同業トタル TOTF.PA 、英蘭系同業のロイ ヤル・ダッチ・シェル RDSa.L が3.4%から5.4%値上がりした。 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が前日、株価の大幅下落が続く金融市場の混乱 や中国懸念を背景に、3月に金融政策スタンスを見直す考えを示したことで追加緩和期待 が高まり、21日の株価は大きく上昇。22日の株価はそこからさらに一段の上積みとな った。 CMCマーケッツのアナリスト、ジャスパー・ロウラー氏は「この日(22日)の値 上がりはECBの緩和期待からというよりも原油価格によるもので、相場は不安定だ」と 指摘し、原油価格の乱高下を踏まえると神経質な相場展開が続くとの見方を示した。 週末を控え、取引時間の終盤にかけてはSTOXX欧州600鉱業株指数 .SXPP が 代表するような鉱業株やイタリアの銀行株などリスクがより高いとみられる部門は上昇幅 を圧縮した。 イタリアの高級ブランド、トッズ TOD.MI は3.7%上昇。2015年の売上げが市 場予想を上回ったことが好感された。