執筆:Yasin Ebrahim
Investing.com -- 今週末に予想されている米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを前に、景気減速への懸念からダウは大幅に下落。多くの投資家がインフレ抑制のためのより積極的な金融引き締め策に動くと懸念している。
ダウ工業株30種平均は2.8%、876ポイント下落、ナスダックは4.7%、{166|S&P500}}は3.8%それぞれ下落した。最近のピークからの下落率は20%を超え、弱気相場の領域に入り、年初来安値を更新した。
米国債のイールド・カーブの一部(10年債利回りと2年債利回り)が日中に一時反転し、インフレ抑制のためにFRBがより積極的な政策姿勢を取らざるを得ないとの懸念が強まり、インフレ懸念をあおった。
米国10年債利回りが2011年以来の高水準に上昇する中、一般消費財やハイテクなど市場の成長セクターが全体相場の最大の足かせとなった。
テスラ(NASDAQ:TSLA)は、コロナウイルスの感染者数の急増を受けて北京でのロックダウンの可能性が懸念され、7%以上下落して、一般消費財セクターの下落をリードした。
大手ハイテク企業は、アマゾン(NASDAQ:AMZN)とメタ・プラットフォーム(NASDAQ:META)がそれぞれ5%と6%以上下落し、金利上昇への警戒感から、投資家は割高銘柄への投資意欲が削がれる結果となった。
FRBは今週、0.5%の利上げ行うと予想されているが、物価上昇圧力が引き続き高いことを示す最近の消費者物価指数の発表を受けて、さらに引き上げる意思を示す可能性がある。
「FOMCは6月の会合で、50bpsの利上げに加え、より強固なインフレ指標と長期インフレ期待の上昇に、断固としたタカ派なメッセージで対応すると思われる」と Goldman Sachsは分析する。
FRBの積極的な金融引き締め策を背景に、消費者・景気低迷の影響を受けやすい旅行・レジャー株も大きく下落した。
シーザース・エンターテインメント(NASDAQ:CZR)、アメリカン航空(NASDAQ:AAL)、ノルウェージャン・クルーズライン(NYSE:NCLH)、ブッキングホールディングス(NASDAQ:{{13072|BKNG})が大幅安となった。
中国でのコロナウイルス感染者数の増加でエネルギー需要が鈍化する懸念があるものの、原油価格がプラスに転じたが、一方、エネルギー株も軟調だった。
パイオニア・ナチュラル・リソーシズ(NYSE:PXD)、フィリップス66(NYSE:PSX)、コノコフィリップス(NYSE:COP)などは、このセクターの最大の下落要因に挙げられた。
暗号資産の融資会社セルシオ・ネットワークが引き出しと送金を凍結したことをきっかけに暗号資産が暴落し、 暗号資産関連銘柄も大きく低下している。
マイクロストラテジー(NASDAQ:MSTR)、ブロック(NYSE:SQ)、コインベース・グローバル(NASDAQ:COIN)は2桁下落となっている。