[ロンドン/フランクフルト 9日 ロイター] - フランスの銀行大手BNPパリバはこのほど、サイバー攻撃に対する防御を強化するため、ロシアを拠点とする従業員が内部コンピューターシステムを利用できないようにした。消息筋がロイターに語った。
こうした措置を講じたのは、大手銀行では初めてとみられる。ロイターが閲覧した内部メモによると、BNPパリバは他拠点の従業員に対しても、ロシアのウクライナ侵攻後にロシアから仕掛けられるサイバー攻撃への警戒を強めるよう求めた。
消息筋の話では、モスクワを拠点とする従業員は先週、同行のネットワークにアクセスできないようになり、利用をいつ再開できるか不明だという。
BNPパリバの広報は、ロシアでは積極的には事業を展開していないが、欧州連合(EU)などが科した制裁を厳守していると話した。
ロイターが閲覧した上級スタッフ宛のメッセージは「現在の地政学情勢では、サイバー攻撃が広がる公算が大きい」と指摘。「当行のサイバーセキュリティー担当チームは警戒を強めており、ネットワークを幅広く監視している」と説明した。
BNPパリバは全世界の従業員19万人強のうち、ロシアに500人未満を配置。ロシアでは2012にはリテール銀行事業から、20年には消費者金融事業からそれぞれ撤退するなど、事業を徐々に縮小している。